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「パチンコで勝てば返せると思ってた」と借金を隠してた夫に説教。翌日見た呆れた光景とは?【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
ギャンブルで借金をしていた夫
結婚して3年、穏やかだと思っていた日常は、夫のポケットから出てきた一枚の明細書によって粉々に砕け散りました。
「パチンコで勝てば返せると思ってた」
震える声でそう言い訳する夫が隠していたのは、パチンコで作った数百万円もの借金でした。
私たちが将来のためにと爪に火をともすような節約をしている裏で、彼は湯水のように大切なお金を使い込んでいたのです。
「その『勝てば』っていう考え方が病気なの!あなた、自分が何をしたか分かってるの!?」
私の怒号が響くリビング。
夫は床に額を擦り付け、涙と鼻水を流しながら謝り続けました。
「もう二度と行かない。明日からは心を入れ替えて、死に物狂いで働く。本当にすまない」
その必死な姿に、私は(今回だけは信じてみようか)と、怒りをぐっと飲み込んだのです。
夫を尾行すると…
そして翌朝。
「信頼を取り戻すために、今日は早めに行って仕事の準備をするよ」 神妙な顔つきで家を出た夫。
しかし、その足取りが妙に軽いことに違和感を覚えました。
女の勘とでも言うのでしょうか。私は急いで着替え、夫の後をこっそりと追うことにしました。
駅へ向かう道の途中、夫は突然路地を曲がりました。
そこは繁華街への近道です。 心臓が早鐘を打ちます。
しばらく進むと、昨日まで彼が通い詰めていたパチンコ店が見えてきました。
(やっぱり……) 絶望しかけたその時です。
夫は店の前で一瞬立ち止まりましたが、なんとそのまま通り過ぎたのです。
中に入ろうとはしませんでした。
私は胸をなでおろし、疑った自分を恥じました。彼は本当に変わろうとしているんだと。
しかし、安堵したのも束の間でした。
夫が次に吸い込まれていった場所を見て、私は言葉を失いました。
そこは、独特の熱気に包まれた「場外馬券売り場」だったのです。
震える足で中に入ると、モニターを食い入るように見つめ、赤ペンを握りしめる夫の姿がありました。 「……何してるの?」 背後から声をかけると、夫は「ひっ!」と叫び飛び上がりました。
そして、私と目が合うなり、脂汗をかきながら信じられない言葉を口にしたのです。
「ち、違うんだ! パチンコは店との勝負だけど、競馬は馬を見る『投資』なんだよ! 昨日の負けを取り返すには、これしかなくて……」
目の前が真っ暗になりました。
「パチンコをやめる」とは、ギャンブルそのものをやめることではなく、単に種目を変えることだったようです。
「借金を博打で返そうとするなって言ったでしょう!!」 私の叫び声に周囲の視線が集まります。
反省の色など微塵もないその姿を見て、私の中で何かが完全に終わりました。
私は夫を残し、無言でその場を去りました。ギャンブルという底なし沼の深さを、身をもって知った最悪の朝でした。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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