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「黙ってたらバレない」社用車をぶつけるも報告しない新人。後日、証拠が見つかり減給処分に【短編小説】
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本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
シラを切る新人
私は営業事務として働いています。
うちの部署に最近配属された男性の新人がいるのですが、少し困った性格の持ち主なんです。仕事は早いのですが、ミスを認めないというか、「バレなきゃOK」という態度が透けて見えるタイプで。
ある日の午後、彼が外回りから戻ってきた直後の社用車を私が使うことになりました。
車に乗り込もうとして、違和感を覚えました。フロントバンパーの左側に、白い塗装が剥げるほどの真新しい擦り傷があったのです。
「あれ? これ……」
事務所に戻り、まだデスクでスマホをいじっていた彼に声をかけました。
「ねえ、さっきの車、どこかで擦らなかった?」
すると彼は、顔色一つ変えずに答えたのです。
「え? いえ、僕じゃないですよ。乗る前からありました。先輩、僕を疑ってるんですか?」
あまりにも堂々とした態度と、少し小馬鹿にしたような笑みに、私は言葉を詰まらせてしまいました。確実な証拠もありませんし、その場は引き下がるしかなかったのです。
顔面蒼白の証拠映像!
しかし、悪事は必ず露見するものです。 数日後、彼と私は部長に呼び出されました。
「君、先日の車の件だが、本当に身に覚えがないんだな?」
部長の静かな問いかけに、彼はまだ「はい、知りません」と答えていました。 部長は無言でパソコンの画面をこちらに向け、再生ボタンを押しました。
そこには、先日導入されたばかりの、車内音声も録音できるドライブレコーダーの映像が映し出されました。
『ガリガリッ!』
映像の中で、ブロック塀に車を擦る激しい音が響きます。 直後、運転席の彼は慌てるどころか、舌打ちをしてこう呟いたのです。
『あーあ、やっちった。……ま、黙ってればバレないっしょ』
その瞬間、彼の顔から血の気が引いていくのが分かりました。バッチリ録音されていたのです。
「事故そのものより、隠蔽しようとした姿勢が問題だ」
部長の雷が落ち、彼は真っ青になりながら震えていました。
結局、彼は車両修理費の負担こそ免れましたが、報告義務違反と虚偽報告によって減給処分となりました。しばらくの間、社用車の運転も禁止です。
「黙ってたらバレない」なんて甘い考えは、社会では通用しません。失った信用を取り戻すのは、お給料を取り戻すよりずっと大変だということに、彼も早く気づいてくれるといいのですが。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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