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「あの映画のオチはね」とネタバレしてくる友人。我慢できなかった私のある一言で、顔面蒼白に【短編小説】
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本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
ネタバレする友人
私には、映画鑑賞というささやかな趣味があります。
週末に映画館の暗闇に身を沈め、ポップコーン片手に物語の世界に没頭するのが、何よりの癒やしなのです。
しかし、その楽しみを脅かす天敵がいます。
それは、学生時代からの仲の良い友人。
彼女には「悪気なくネタバレをする」という、私にとっては致命的な癖があるのです。
「あ、その映画見たよ! 犯人、実は主人公の奥さんなんだよね」 「最後は全員助かるから安心して見ていいよー」
私が「やめて!」と耳を塞ごうとしても、彼女はニヤニヤしながら結末を口にします。
「知ってて見た方が伏線回収できて楽しいじゃん」というのが彼女の持論。
何度「私は真っ白な状態で楽しみたいの」と伝えても、彼女の悪癖は直りませんでした。
ある日、私が半年も前から楽しみにしていた極上のミステリー映画が公開されました。
絶対にネタバレを踏みたくない私は、SNSも封印して週末を待ちわびていました。
ところが、公開翌日に彼女とカフェでお茶をすることに。嫌な予感は的中しました。
彼女は既にその映画を見ていたのです。
「ねえねえ、昨日の映画なんだけどさ、オチが本当すごくて!」 アイスコーヒーを一口飲むなり、彼女が身を乗り出してきました。
「話さないで、本当に楽しみにしてるから」と私が制止しても、彼女は止まりません。
「大丈夫、核心は言わないから。ただ、実はあの刑事ってさ…」と言いかけたその時、私の中で何かがプツンと切れました。
同じ気持ちにさせてみた
私は彼女の言葉を遮り、真顔でこう言いました。
「待って。その話の前にさ、あんたが今一番ハマってるあの恋愛ドラマ、私の親戚が制作に関わってるんだけど、来週の最終回どうなるか教えようか? 二人とも結ばれると思ってるでしょ? 実はヒロイン、事故で記憶喪失になって、別の男と結婚して終わるらしいよ」
その瞬間、彼女の顔からサァーッと血の気が引きました。
「え……嘘、でしょ? 嘘だと言って…お願い…」 彼女は手元のグラスが揺れるほどカタカタと震えだし、今の今まで楽しそうだった表情が絶望に染まりました。
その顔面蒼白ぶりは、見ているこちらが心配になるほど。
「……なーんてね、嘘だよ。全部私の作り話」 私がそう明かしても、彼女はしばらく放心状態で口を開けませんでした。
「ネタバレされる側の気持ち、わかった?」と聞くと、彼女は涙目でコクコクと深く頷きました。
それ以来、彼女の口から「オチはね」という言葉が出ることはなくなりました。
目には目を、ネタバレにはネタバレを。
少し意地悪だったかもしれませんが、私の平穏な映画ライフはこうして守られたのです。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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