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「子供が触っただけ」と壊した商品の弁償を拒む親。だが、防犯カメラを見ると本当に壊したのは…【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
「子供がやったことだから」弁償を拒否するモンスターペアレント
私が店長を務めるインテリアショップでの出来事です。
店内には高価な花瓶や置物もあり、お客様には「お手を触れないでください」とお願いしています。
ある週末、店内で「ガシャーン!」という激しい音が響き渡りました。
慌てて駆けつけると、数万円するガラスのオブジェが床で粉々になっており、その横で5歳くらいの男の子が呆然と立ち尽くしていました。
そして、その母親が金切り声を上げていました。
「もう! 何やってるの! あんたが触るからでしょ!」
男の子は「僕、触ってない……」と泣き出しましたが、母親は聞く耳を持ちません。
私が声をかけると、母親は私を睨みつけてこう言いました。
「ちょっと店員さん! こんな危ないものを子供の手が届く場所に置くなんて、配慮が足りないんじゃない? 子供が触っただけで落ちるのが悪いのよ。不可抗力だから、弁償なんてしませんからね!」
父親も「そうだ、店の陳列ミスだ。子供を責めるな」と加勢してきます。
自分たちの監督責任を棚に上げ、店に責任転嫁する態度に腹が立ちましたが、私は冷静に言いました。
「状況を確認するため、防犯カメラの映像を拝見してもよろしいでしょうか? 保険の手続き上、どうしても必要になりますので」
映像に映っていた「真犯人」に両親が絶句
「ふん、見ればいいじゃない! 店側の過失だって証明されるだけよ!」
母親は自信満々です。
私はバックヤードのモニターにお客様をご案内し、先ほどの瞬間の映像を再生しました。
画面には、商品を見ている男の子が映っています。
男の子は手をお行儀よく後ろに回し、商品には一切触れていません。
次の瞬間、スマホを見ながら後ろ歩きをしてきた「母親」の大きなショルダーバッグが、棚のオブジェを直撃。
オブジェが落下して割れると、母親はハッとして周囲を見回し、目の前にいた息子を怒鳴りつけたのです。
「……あれ? 壊したのはお子様ではなく、お母様のバッグですね?」
動かぬ証拠を突きつけられ、母親の顔は真っ赤に。
「あ、いや、その……バッグが当たった感覚がなくて……」
としどろもどろ。
さっきまで威勢よく店を責めていた父親も、気まずそうに黙り込んでしまいました。
「僕、やってないって言ったのに……」
と呟く男の子。
濡れ衣を着せようとした親に対し、私はきっちりと定価での弁償を請求しました。
自分の過失を子供になすりつけるなんて、親として一番やってはいけないことですよね。
帰り際、男の子に「疑ってごめんね」とこっそりお菓子を渡すと、彼は少しだけ笑ってくれました。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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