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「浮気はしてないよ」と言った夫。リビングのスマートスピーカーにある通知が流れ、離婚を決意【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
潔白の主張
「だから、浮気はしてないよ! 最近帰りが遅いのは、本当に仕事が忙しいだけなんだよ」
夫は私の目を真っ直ぐ見て、必死に潔白を主張しました。
最近、スマホを肌身離さず持ち歩き、お風呂場まで持っていく夫。
どう見ても怪しいのですが、決定的な証拠がありません。
「俺を信じてくれよ」と懇願され、私はそれ以上追及できずにいました。
重苦しい空気が流れるリビング。
その時でした。部屋の隅に置いてあるスマートスピーカーが、青いリングライトを点灯させ、軽快な電子音を鳴らしました。
『ピロン♪ お知らせがあります』
我が家のスマートスピーカーは、夫のアカウントと紐付いており、予定のリマインドをしてくれる設定になっています。
普段は「ゴミ出し」や「美容院」程度のお知らせしか流れません。
夫が慌てて
「あ、いや、いい! ストップ!」
と叫ぼうとしましたが、優秀なAIアシスタントは止まりません。
明日の予定
『明日の予定です。午後7時、イタリアンレストラン〇〇にて、ユミちゃんと半年記念日ディナー。備考、サプライズのネックレス』
リビングに、完全なる静寂が訪れました。
「ユミちゃん」という知らない名前。
「半年記念日」という生々しいワード。
そして私には一度もくれたことのない「サプライズのネックレス」。
夫の顔色は、土気色を通り越して真っ白です。
「ち、違うんだ、これは……その、会社の部下のユミさんの相談に乗るだけで……」
「相談に乗るのに記念日? しかもネックレス付き?」
私が冷たく言い放つと、夫は膝から崩れ落ちました。
どうやら彼は、浮気相手とのデートをうっかり自分のスマホのカレンダーに入力してしまい、それが家のスピーカーと同期されていることを完全に忘れていたようです。
「浮気はしていない」という言葉の舌の根も乾かぬうちに、AIによって暴露された真実。
これ以上の証拠はありません。
その後、私はこの「音声」を録音していたわけではありませんが、夫が浮気を認めたため、スムーズに離婚が成立しました。
もちろん、慰謝料もしっかり頂きました。
文明の利器は、生活を便利にするだけでなく、夫の嘘まで暴いてくれる素晴らしいアイテムですね。
皆様も、クラウドの同期設定にはくれぐれもお気をつけください。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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