Share
「箸が入ってない!」と商品を投げつける客。だが、店員のある一言で、客が赤っ恥をかいたワケ【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
怒号とともに飛んできたコンビニ袋
これは、私がコンビニでアルバイトをしていた頃に遭遇した、ある衝撃的な出来事です。
私の働いている店舗はオフィス街にあり、お昼時になると戦場のような忙しさになります。レジには長蛇の列ができ、私たちは息をつく暇もなく、機械のように商品をスキャンし続けていました。
そんなある日のこと、一人のサラリーマン風の男性が来店されました。見るからにイライラしており、貧乏ゆすりをしながら順番を待っています。
私のレジに来るなり、無言で商品を突き出し、お会計が終わると、レシートをひったくるようにして店を出て行きました。
「怖いお客様だったな……」と胸をなでおろしたのも束の間、自動ドアが勢いよく開き、先ほどの男性が怒りの形相で戻ってきたのです。
「おい! お前、どういう教育受けてんだ!」
店内に響き渡る怒号。他のお客様が一斉に振り返ります。男性は持っていたコンビニ袋を、私に向かって思い切り投げつけました。
「箸が入ってない! 昼飯どうやって食えって言うんだよ! 気が利かねえ店だな!」
男性は顔を真っ赤にして怒鳴り散らします。私は恐怖で足がすくみ、言葉が出てきません。
「すみません」と謝ろうとしたその時です。騒ぎを聞きつけたベテランの店員が、奥から静かに出てきました。
そしてカウンターに散らばった商品を一瞥すると、冷静かつ丁寧に、しかしよく通る声でこう言いました。
店内に響き渡った正論
「お客様。大変申し訳ございませんが……こちら、サンドイッチでございます」
一瞬、時が止まったかのようでした。男性が投げつけた袋から出ていたのは、具だくさんのミックスサンドイッチ。
「へ……?」
男性の口が半開きになります。
店長は追撃するように、にっこりと微笑んで続けました。
「サンドイッチにお箸はお付けしておりません。手でお召し上がりください」
その瞬間、店内の空気が変わりました。後ろに並んでいた別のお客様から「プッ」と吹き出す音が聞こえ、それが連鎖して、店内は失笑ムードに包まれました。
自分が買ったものがサンドイッチだったことを完全に失念し、理不尽なクレームをつけていたことに気づいた男性。みるみるうちに顔が茹でダコのように赤くなっていきます。
そしてサンドイッチをつかみ、逃げるように店から走り去っていきました。
嵐が去った後、他のお客様から「災難だったね」「気にしなくていいよ」と温かい言葉をかけていただき、私は思わず涙が出そうになりました。
理不尽なクレーマーが、たった一言の正論で撃退された、私の忘れられないスカッと体験談です。
******************
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
******************
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
日常の「モヤモヤ」「スカッと」「ゾッと」
体験を教えてください!
\ 体験談の応募フォーム /
※体験談をもとにGLAM編集部で再構成(個人が特定されない形でフィクション化)し、記事化させていただきます。
友だち登録&アンケート回答で「Amazonギフトカード」など好きな商品を選べるギフトを毎月抽選で5名様にプレゼント!
\ 今すぐ応募する /
Feature
特集記事

