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「男が料理をするな!」と古い価値観の義父。横で聞いていた義母の怒りの一言で顔面蒼白に【短編小説】

夫のエプロン姿に激怒した義父
結婚して初めて迎えたお正月、私は夫と一緒に義実家へ帰省しました。夫は普段から家事を積極的にこなしてくれる優しい人で、特に料理の腕前は私以上。
この日も「母さんも楽ができるように」と、得意のローストビーフを振る舞う準備をしてくれていました。
義実家の台所で、夫がエプロンを締め、包丁を握ったその時です。リビングで日本酒を飲んでいた義父が、ものすごい剣幕で台所に怒鳴り込んできました。
「おい! 何をしているんだ!」
突然の怒声に、私は持っていたお皿を落としそうになりました。義父は真っ赤な顔で夫を指差し、信じられない言葉を吐き捨てたのです。
「エプロンなんかして、男が料理をするな! 男は座って待っているのが当たり前だ。台所は女の城だぞ、恥ずかしい真似をするな!」
まさに昭和の頑固親父と言わんばかりの古い価値観。夫は冷静に「父さん、今はそんな時代じゃないよ。僕が好きでやってるんだ」と返しましたが、義父の怒りは収まりません。
「口答えするな! 男が飯を作るなんて!」とヒートアップするばかり。私はどうしていいか分からず、ただオロオロするしかありませんでした。
最強の助っ人登場!
その時です。私の横にいた義母が、静かに言いました。
「あら、お父さん。新年早々、随分と威勢がいいのね」
義母の声は低く、しかしよく通りました。義父は味方が来たと勘違いしたのか、「母さんからも言ってやれ! こいつが男のくせに料理なんかしてやがるんだ!」と勢いづきます。
しかし、義母は冷ややかな目で義父を一瞥すると、ニコリともせずにこう言い放ちました。
「あらそう。男が料理をするのがそんなに恥ずかしいことなら、お父さんは明日から一切、食事をなさらないでくださいね」
義父は鳩が豆鉄砲を食らったような顔で固まりました。
「え……?」
義母は畳み掛けます。
「だってそうでしょう? 有名なホテルのシェフも、美味しいお寿司屋さんの大将も、みんな男性よ。彼らが作る料理も『恥ずかしいもの』なんでしょう? そんな恥ずかしいものを食べるなんて、男としてプライドが許さないはずよね?」
義父の顔から血の気が引いていくのが分かりました。義母はさらに一歩踏み出し、トドメを刺します。
「それに、私だっていつまでも台所に立つ家政婦じゃありません。息子がせっかく作ってくれる親孝行な料理にケチをつけるなら、今後一切、私にお茶一杯ねだらないでちょうだい。」
その迫力に、義父は「い、いや、そういうつもりじゃ……」と口ごもり、すごすごと自分の席へ戻っていきました。小さくなった背中は、さっきまでの威勢が嘘のよう。
「さ、続けましょ。ローストビーフ、楽しみにしているわ」とウインクする義母。
この日食べた料理の味は、間違いなく世界一でした。やはり、最強なのはいつの時代も「母」なのかもしれません。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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