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「あんたが犯人でしょ」とPTAの会議で濡れ衣を着せられた。意外な真犯人が見つかり状況が一変【短編小説】

あんたが犯人でしょとPTAの会議で濡れ衣を着せられた意外な真犯人が見つかり状況が一変短編小説

私に向けられた冷ややかな視線

「あんたが犯人でしょ。正直に言いなさいよ」

会長の金切り声が、静まり返った会議室に響き渡りました。
私は血の気が引いていくのを感じながら、必死に首を横に振ります。

秋のバザーに向けた大切な運営費。
その入った封筒が忽然と消えてしまったのです。会計係である私が疑いの的になるのは、避けられない状況でした。

「さっきまでここにあったのよ? 私がトイレに行ってる間に触ったのは、あなたしかいないじゃない」

会長は私の目の前まで詰め寄り、鬼のような形相で捲し立てます。
他の役員さんたちも、誰一人として目を合わせてくれません。

まるで腫れ物に触るような、痛いほどの沈黙。冷房が効いているはずなのに、冷や汗が背中を伝います。

「本当に知りません。私は確認のために帳簿を見ていただけです……!」

私の訴えは、重苦しい空気に飲み込まれていきました。もうダメだ、誰も信じてくれない。涙がこぼれそうになりました。

会議が終わり、片付けの最中に 

「じゃあ今日はこれで……」
「封筒のことは、また明日考えましょう」

会長の一言で解散ムードになり、皆が黙々と片付けを始めました。

副会長は机の上の資料をまとめながら、台布巾でテーブルを拭いていました。
そのときです。

会長の大きなトートバッグが、机の角に引っかかり

ガサッ……!

「きゃっ!」

バッグが横に倒れ、中身がドサリと床へ。

資料、ハンドクリーム、ペンケースそして。

ポトッ。

例の茶封筒が、床に転がり落ちたのです。

「……え?」

最初に声をあげたのは副会長でした。
その声で、ほかの役員も一斉に床を見る。

私が疑われた“あの封筒”が、会長のバッグから落ちている。

誰の操作でも、仕掛けでもない。
目の前でただ、事実が溢れ出ている。

副会長がそっと拾い上げ、静かに言いました。

「これ……会長のバッグに入ってたんじゃないですか?」

会長の顔が見る見る青ざめていきます。

「い、いや……ちょっと……その……急いでたから……」
「そんなはずじゃ……」

声は震え、視線は彷徨い、誰とも目が合わない。

会議室の空気が、一瞬で反転しました。
さっきまで私に向けられていた冷たい視線が、今度はすべて会長へ。

私は安堵で足の力が抜け、思わず椅子に座り込んでしまいました。

副会長がそっと私の肩に触れ、
「大丈夫ですか?」
と、小さく声をかけてくれたその瞬間を、私は一生忘れないでしょう。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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