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「会費、あなたが抜いたって本当?」ママ友の噂。だがPTAの現金出納帳で誰が嘘つきか判明【短編小説】

会費あなたが抜いたって本当ママ友の噂だがPTAの現金出納帳で誰が嘘つきか判明短編小説

根拠のない噂と冷たい視線 

「ねえ、会費をあなたが抜いたって本当なの?」

スマホの画面に表示されたそのメッセージを見た瞬間、心臓が早鐘を打ち、冷や汗が背中をつたいました。
送ってきたのは仲が良いと思っていたママ友。その言葉は、あまりにも唐突で残酷なものでした。

私はその年、くじ引きで当たってしまったPTAの会計係をしていました。
お金の管理なんて責任重大な役、本当はやりたくなかったのですが、決まった以上はしっかりと務めようと、日々細かい作業をこなしていたのです。

噂の出所は、同じクラスの別のママ友でした。
彼女は周囲に「会計のあの人が、集金したお金を自分の財布に移しているのを見た」
「帳簿をごまかしてランチ代にしている」と吹聴していたのです。

翌日から、幼稚園の送迎時の空気が一変しました。
すれ違いざまのひそひそ話、あからさまに避けられる視線。
「やっていない」と否定しても、「火のない所に煙は立たないわよね」という冷ややかな反応ばかり。悔しさと情けなさで、夜も眠れない日が続きました。

私は身の潔白を証明するため、役員全員と噂の主であるママ友を集め、緊急の話し合いの場を設けました。

嘘を暴いた「一冊のノート」 

重苦しい空気の中、会議が始まりました。
噂を流した彼女は、腕を組み、勝ち誇ったような顔で私を見ています。
「〇月〇日の集金日、あなたが封筒から千円札を抜くのを見たのよ」と、彼女は自信満々に主張しました。

私は深呼吸をして、テーブルの上に一冊のノートを置きました。それは、私が毎日欠かさず記録していた「現金出納帳」です。

「皆さん、ここを見てください」

私は静かにページを開きました。
「彼女が指摘したその日は、そもそも集金業務を行わない『休園日』でした。当然、お金の動きは一切記録されていませんし、園の防犯カメラにも私がその日来ていないことが映っているはずです」

さらに、一緒に会計を担当していたもう一人の役員さんが口を開きました。
「そういえば、あの日、あなたは家族旅行中だってインスタにあげていましたよね?」

その場にいた全員の視線が、一斉に噂の主へと向きました。彼女の顔からサーッと血の気が引いていくのが分かりました。

実はその後の照合で、彼女自身が会費を数ヶ月滞納しており、その督促から逃れるために、会計の管理がずさんだという嘘の噂を流して混乱させようとしていたことが判明したのです。

「ごめんなさい……」

消え入りそうな声で謝る彼女。私の疑いは完全に晴れました。

もしも私が「面倒だから」と記録をサボっていたら、どうなっていたか分かりません。
地味で面倒な作業でしたが、几帳面につけていたあの出納帳が、私と家族の平穏を守ってくれたのです。

人間関係は難しいものですが、数字と記録は決して裏切らない。そう痛感した出来事でした。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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