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「了解です」言葉遣いが間違っている後輩からのLINE。注意した先輩が困惑した部下の返信…【短編小説】

後輩の言葉遣い
私は、今の会社に入って3年目。
最近、新しく後輩の女の子が入ってきました。
彼女はとても素直で仕事も一生懸命。
私も自分の新人の頃を思い出して、できるだけサポートするようにしていました。
彼女とのやり取りは、社内のチャットツールがメインです。
テキパキと仕事をこなし、返信も早い彼女は、正直とても助かる存在でした。
ただ一つ、ほんの少しだけ気になっていることがありました。
それは、彼女の「言葉遣い」です。
私や他の先輩、ときには部長に対しても、チャットで「了解です!」と元気よく返信することが多いのです。
もちろん、悪気がないのは百も承知です。
むしろ、その元気さに救われることもあります。
でも、社会人として「了解」は、目上の人に使う言葉としては適切ではない、と私は教わってきました。
「承知いたしました」や「かしこまりました」を使うべきだと。
いつか、誰かが注意する前に、私がそっと教えてあげるのが一番いいだろうな。そう思っていました。
ある日の午後。 私が彼女に、資料の修正をお願いしたときのことです。
すぐに、チャットの通知が光りました。
「了解です!すぐやります!」
(……今だ)
私は意を決して、キーボードを打ちました。
「お疲れ様です。急いでくれてありがとう。 ところで、ちょっとしたことなんだけど…」
「はい、なんでしょう?」
「さっきの『了解です』だけど、目上の人には『承知いたしました』の方が、ビジネスでは印象がいいよ。私も新人の頃に教わったから、一応伝えておこうと思って」
我ながら、完璧なフォローです。高圧的にならず、あくまで「親切心」で伝えた、というニュアンス。
きっと彼女も「教えてくれてありがとうございます!」と返してくるはず……。
まさかの指摘
しかし、数秒後に返ってきたメッセージは、私の予想を大きく裏切るものでした。
「えっ…? そうなんですか? でも……先輩も昨日、部長に『了解です!』って送ってませんでしたか?」
「え」
私は、そのメッセージを見た瞬間、頭が真っ白になりました。 (うそ? 私が? 部長に?)
震える指で、慌てて昨日のグループチャットの履歴をさかのぼります。
……ありました。
昨日の夕方、部長からの「明日の会議資料、準備よろしく!」という全体連絡に対して、私が、一番乗りで、元気なスタンプと共に「了解です!」と返信している履歴が。
(うわぁぁぁ……)
顔から火が出るかと思いました。 私は、後輩にマナーを教えようとして、自分の「マナー違反」を真正面から突きつけられてしまったのです。
彼女のチャット画面には「どう返事しよう…」と困惑しているであろう、私のアイコンが映っているはず。
私は、開いたチャット画面を前に、ただただ困惑しながら固まってしまいました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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