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「うちの子が悪いわけない!」保育園で怒鳴る母親。だが防犯カメラに映っていた衝撃の姿とは?【短編小説】

お迎えで見た息子の涙
保育園のお迎えに行った時のことです。息子が園庭で泣いているのが見えました。慌てて駆け寄ると、息子の顔には擦り傷ができていて、そばには同じクラスの男の子と、その子のお母さんが立っていました。
担任の先生が、困った顔で私に説明してくれました。
「お友達に突き飛ばされてしまったようで…」
先生がその子のお母さんの方に視線を向けると、彼女は顔を真っ赤にして叫びました。
「うちの子が悪いわけない!そっちが先に何かしたんでしょう!」
突然の大声に、私はびっくりしてしまいました。
怪我をした息子の手当てをしながら、私は冷静に「なにがあったのか、きちんと確認しませんか?」と言いましたが、彼女の興奮は収まりません。
「うちの子は、家ではとってもいい子なんです!人を突き飛ばすなんて、ありえません!」
わが子を信じたい気持ちは、私も同じ親として痛いほど分かります。ですが、一方的に「うちの子は悪くない」と決めつける彼女の姿に、私は少し戸惑ってしまいました。
見かねた園長先生が、静かな声で提案しました。
「園庭には防犯カメラがあります。なにがあったのか、皆さんで一緒に確認いたしましょう」
彼女は「え…」と一瞬ためらったようでしたが、「望むところです!」と強く言いました。
防犯カメラが映し出した「真実」
事務室で、再生された映像をみんなで見つめました。
砂場で遊ぶ、息子ともう一人の男の子。おもちゃの取り合いになったのでしょうか、次の瞬間、相手の男の子が、息子を両手で力いっぱい突き飛ばしたのです。息子は激しく転倒し、顔を打って泣き出しました。
映像は、明らかに「彼女の子が悪い」ことを示していました。
「あ……」
ママ友は、言葉を失って映像を見つめています。さっきまでの剣幕は消え、顔が青ざめていくのが分かりました。
「申し訳、ありませんでした…」
彼女は、震える声で私と息子に深く頭を下げました。私も「いえ、もう大丈夫ですから」と答えるしかありませんでした。
帰り道、手当てした息子の手を引きながら、私は考えていました。
もし、今日、加害側がうちの子だったら?
私は、あのお母さんのように「うちの子が悪いわけない!」と叫ばず、冷静でいられただろうか。わが子を信じる気持ちが、時に真実から目をそむけさせてしまうのかもしれない…。親として、「信じること」の難しさを痛感した出来事でした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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