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夜になっても「居心地よくて〜」と帰らない迷惑なママ友。後日、泣きながら謝りに来たワケ【短編小説】

帰らないママ友
近所に住むママ友とは、子ども同士が同い年ということもあり、よくお互いの家を行き来する仲でした。
とても話しやすく、私も彼女のことが好きでした。
あの日までは……。
その日も、彼女は子どもを連れてうちに遊びに来ていました。
子どもたちがはしゃぎ疲れ、寝室で寝かしつけた後も、私たちはリビングでお茶を飲みながらおしゃべりを続けていました。
気づけば、時計の針は午後9時を回っています。夫の帰宅も近づいていますし、そろそろお開きにしたいところ。
「もう遅いから、そろそろ…」 私がそう切り出そうとすると、彼女はソファに深くもたれかかり、こう言ったのです。 「あ〜、ごめん。なんか、居心地よくて〜」
その言葉に、私はカチンときました。居心地がいいのは結構ですが、限度があります。それとなく時計を指してみせても、「本当だ、早いね〜」と、まるで他人事。
結局、彼女が重い腰を上げたのは、日付が変わる直前でした。
「それじゃ、またね!」 笑顔で帰っていく彼女の背中を、私は複雑な思いで見送りました。
正直、「迷惑だな」という気持ちが勝っていました。
次の日から、私は彼女を少し避けるようになりました。
公園で会っても、当たり障りのない挨拶だけして、その場を離れてしまうのです。
謝ってきた理由とは
そんな日が数日続いたある日の夕方、インターホンが鳴りました。
ドアを開けると、そこには目を真っ赤にした彼女が立っていました。 
「この間は…本当にごめんなさい!」 彼女は突然、泣きながら頭を下げたのです。
驚く私を前に、彼女はぽつりぽつりと事情を話し始めました。 
実はあの日、夫婦で大きな喧嘩をし、夫から「顔も見たくない」と言われ、家を半ば追い出されるような状態だったそうです。
「どこにも行くあてがなくて…。あなたの家だけが、唯一安心して息ができる場所だったの。迷惑だってわかってたけど、帰りたくなくて…」
「居心地よくて」という言葉は、彼女の必死のSOSだったのでした。
事情を知り、私は彼女を責めた自分を恥じました。
深夜の訪問は困りますが、彼女の孤独を思うと、無下にできなかったのも事実です。
「あの、よかったら、お茶飲む?」 私は、泣き続ける彼女を、もう一度リビングに招き入れました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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