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「このカート邪魔なんだけど?」と蹴り飛ばした男。数分後、彼が顔を真っ赤にした理由とは?【短編小説】
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スーパーでのトラブル客との出来事
こんにちは、奈々です。これは、私がよく行くスーパーで体験した、ほんの数分間の出来事です。
その日は特売日で、店内はカートを押す人々でごった返していました。
私は飲料コーナーで、重いお茶のペットボトルをカートの下段に入れようと、少し通路側にかがんで作業をしていました。
その時、背後からイライラしたような足音が近づいてきました。
「チッ…このカート邪魔なんだけど?」
振り返ると、険しい表情の男性、大木さんが立っていました。
彼は私が返事をする間もなく、なんと私のカートの側面を足で蹴り飛ばしたのです。
ガシャン!とカートが動き、私はよろけてしまいました。
「あ、すみません…」と慌てて謝ると、大木さんは私を睨みつけ、足早に去っていきました。
(なんなの、あの人…)
私は少し腹が立ちましたが、怖かったので何も言えず、その場を離れました。
それから数分後。
私がレジに向かおうと角を曲がった時、先ほどの大木さんを見かけました。
しかし、彼の様子が少しおかしいのです。
トラブル客の末路
大木さんの足元には、無残にも割れた卵が飛び散っていました。近くには、慌てた様子の店員、田中さんの姿も。
どうやら、大木さんは自分のカゴに入れていた卵のパックを床に落としてしまったようです。
「だから、そこの女のカートが急に出てきたから避けきれなかったんだよ!」
大木さんは、なんと私を指差してそう叫んだのです。
私は驚いて「えっ?」と声を上げました。私は彼を追いかけたりしていません。
しかし、その時、一部始終を見ていた別のお客さん、主婦の鈴木さんが冷静に口を開きました。
「違いますよ、店員さん。その方、さっきからすごいスピードでカートを押していて、ご自分で棚の角にカゴをぶつけて卵を落とされたんです。この女性は関係ありません」
田中さんも「お客様、店内ではカートはゆっくり押してください」とピシャリ。
大木さんは「いや…でも…」と言い訳しようとしましたが、鈴木さんだけでなく、周りの数人が「見てたわよ」と頷いています。
さっき私に乱暴な態度をとった男性が、今度は自分の不注意を私のせいにしようとして失敗したのです。
大木さんは、周りの冷たい視線と店員さんの毅然とした態度に、何も言えなくなりました。
そして、さっき私を睨みつけた時とは比べ物にならないくらい、顔を真っ赤にして俯いてしまいました。
乱暴な運転も、嘘も、良いことは一つもないな、と実感した瞬間でした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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