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「お釣り少なくない?これ不正か?」と絡む客。防犯カメラを巻き戻した瞬間、全員が固まった【短編小説】
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お釣りで揉めたお客様
私は、近所のコンビニでパートとして働く里美(さとみ)です。
夕方の忙しい時間帯は、レジ対応や品出しでいつも戦場のようです。
その日も、レジには長い列ができていました。
次々とお客様をさばいていく中、スーツ姿の男性客、高田(たかだ)さんがタバコと缶コーヒーを買われました。
会計を済ませ、私は「ありがとうございました」と、お釣りの千円札と小銭を手渡しました。
すると高田さんは、レジのすぐ横で小銭を数え始めたかと思うと、突然、私を睨みつけて言いました。 「お釣り少なくない?これ不正か?」
彼の大きな声に、並んでいた他のお客様の視線が一斉に集まり、店内がシンと静まり返りました。
「えっ…」 私は慌ててレジの記録を確認しましたが、計算はぴったり合っています。
「恐れ入りますが、レジの金額は合っております…」
「嘘をつくな!客を疑うのか!」
高田さんがカウンターを叩こうとした瞬間、奥から田中(たなか)店長が飛んできました。
「お客様、どうされましたか?」 事情を聞いた店長は、興奮する高田さんをなだめながら、冷静に言いました。
「では、お客様の誤解を解くためにも、防犯カメラを確認いたしましょうか?」
「おう、望むところだ!きっちり確認させてもらうぞ!」
防犯カメラの結果
私たちは事務所に入り、店長がレジ上のカメラ映像を巻き戻しました。
高田さんの会計シーンが再生されます。
……確かに、私は千円札と小銭を高田さんに渡しました。
高田さんはそれを受け取り、小銭を手のひらで数え始めました。
その瞬間です。
高田さんは、小銭に集中するあまり、右手に持っていた千円札を、無意識のうちに自分のスーツの内ポケットにスッとしまったのです。
映像を見ていた私と店長、そして高田さん本人が、文字通り固まりました。
高田さんは、画面の中の自分を指差したまま「あ…」と声を失っています。
数秒の沈黙の後、高田さんは顔を真っ赤にして、蚊の鳴くような声で「す、すまんかった…」とだけ言うと、嵐のように店を出て行きました。
疑われたのは本当に心外でしたが、真実がはっきりして心からホッとしました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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