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「私の頑張りなのに…ふざけないで」会社のプロジェクトの成果を奪われた私の悲惨な結末とは【短編小説】

私の頑張りなのにふざけないで会社のプロジェクトの成果を奪われた私の悲惨な結末とは短編小説

報われると信じた努力の行方

「努力は必ず報われるんだよ」

同じ部署の斎藤先輩が、分厚い資料を私の机に置きながら言いました。
その言葉は一見、後輩を励ます優しいものに聞こえるかもしれません。
でも、今の私には皮肉にしか聞こえませんでした。

入社3年目の私は、社運を懸けた新商品のプロモーション企画のメンバーに選ばれました。
しかし、その実態は、一番大変で誰もやりたがらない市場調査とデータ分析の担当です。

連日連夜、膨大な資料と格闘し、ようやく企画の根幹となるデータと資料を完成させました。
その全ての作業を押し付けてきたのが、斎藤先輩です。

「あとは僕がまとめて役員に提出しておくよ。中村さんの頑張りは僕が一番わかってるから」

そう言って笑顔で資料を受け取った先輩。
しかし、プレゼン当日、会議室のスクリーンに映し出された資料の作成者名には「斎藤」とだけ書かれていました。

私の名前はどこにもありません。
愕然とする私を尻目に、斎藤先輩はまるで自分が全てやったかのように、流暢に説明を始めました。

プレゼンが終盤に差し掛かったとき、厳しいことで有名な小林部長が口を開きました。

「斎藤くん、このデータの根拠はなんだね?なぜ競合A社ではなく、B社のデータを重点的に参考にしたのか、君自身の言葉で説明してくれないか」

核心を突く質問に、斎藤先輩の顔からスッと血の気が引いていくのがわかりました。

「え…えっと、それは…総合的に判断して、その…」

しどろもどろになる先輩。
当たり前です。その判断を下したのは、徹夜で両社の膨大なデータを比較分析した私なのですから。

沈黙が会議室を支配したとき、私は静かに手を挙げました。

一縷の望みをかけた補足説明

「恐れ入ります。その点について、補足させていただけますでしょうか」

そして、私がなぜB社のデータを重視したのか、その分析結果から導き出した企画の意図を、自分の言葉で懸命に伝えました。

私の説明が終わると、部長は大きく頷き、こう言いました。

「なるほど。素晴らしい補足だ。斎藤くん、良い部下を持ったな。彼女のように、自分の意見をしっかり持ち、上司を的確にサポートできる人材は貴重だ。君の指導の賜物だろう」

その一言で、全てが終わりを告げました。
斎藤先輩は「ありがとうございます!」と満面の笑み。
その後、プロジェクトは正式に承認され、その成功を評価された斎藤先輩は、次の課長候補として名前が挙がっているそうです。

「私の頑張りなのに…ふざけないで」そう心の中で私は思いつつも、黙ってみることしかできませんでした。

斎藤先輩の言う通り、「努力は必ず報われる」ものですね。
ただし、その努力の果実を誰が手にするかは、また別の話のようです。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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