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「怪しい夫婦」とご近所から白い目で見られていた私たち。毎晩運び出す荷物の意外な中身とは【短編小説】

怪しい夫婦とご近所から白い目で見られていた私たち毎晩運び出す荷物の意外な中身とは短編小説

ご近所からの冷たい視線

新しい住宅街に夫と越してきて三ヶ月。
マイホームでの穏やかな生活が始まる、はずでした。

しかし、私たちの日常には、いつもご近所からの監視のような視線が突き刺さっていたのです。

特に隣の家の池田さんの視線は、日に日に冷たくなっていくのを感じました。

「ねぇ、あなた…また見られてるわよ」「気のせいだよ」

夫はそう言って私をなだめますが、気のせいなはずがありません。
ゴミ出しの時に向けられる探るような目、聞こえよがしに交わされるひそひそ話。

私たちは、この町で完全に孤立していました。

原因はわかっています。私たちが毎晩、家から大きな段ボール箱を何個も車に運び込んでいるからです。
中身を見られないよう、いつも厳重にガムテープで封をして。

きっと、夜逃げの準備か、何か怪しい商売でもしていると思われているのでしょう。
弁解しようにも、この活動はまだ大っぴらにしたくなかったのです。

日に日に重くなる空気とご近所の視線に、私の心はすっかりすり減っていました。

温かいエールに変わった瞬間

そんなある週末の朝、町内会の清掃活動がありました。
気まずさで胸が張り裂けそうでしたが、勇気を出して参加したのです。
案の定、誰も私たちに話しかけてはきません。

しかし、活動の終盤、町内会長の斉藤さんが、池田さんや他のご近所さんが見ている前で、私たちに近づいてきました。
そして、響き渡るような大きな声でおっしゃったのです。

「藤井さんご夫婦!いつも本当にありがとう!お二人が毎晩、保護猫のシェルターに支援物資を運んでくれるおかげで、たくさんの猫たちが助かってるんですよ!」

その瞬間、辺りがシン…と静まり返りました。
そう、私たちの秘密の活動は、夫婦で始めた保護猫のボランティアだったのです。
全国から届く寄付のキャットフードやおもちゃを仕分けし、夜間にシェルターへ届けていました。

斉藤さんの言葉で全てを察した池田さんたちが、バツの悪そうな顔で駆け寄ってきて、「大変なことをされているとも知らず、本当にごめんなさい!」と頭を下げられました。

この日を境に、私たちへの冷たい視線は、温かい尊敬の眼差しへと変わったのです。
今では、ご近所の皆さんも協力してくれるようになり、私たちはもう何にも怯えることなく、大好きな猫たちのために活動を続けています。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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