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同棲中に「掃除が雑」と指摘された私。数年後、家事ができず困り果てた彼から連絡がきた【短編小説】

同棲中に掃除が雑と指摘された私数年後家事ができず困り果てた彼から連絡がきた短編小説

同棲していた頃の苦い記憶

私の名前は奈緒。
数年前に同棲していた元カレ、達也との苦い思い出が、今でも、ふと蘇ることがあります。

共働きだったにも関わらず、家のことは、全て私がやっていました。
彼は、ソファでスマホをいじりながら、私のやることに、文句をつけるのが日常。
特に、掃除に関しては、姑のように、細かい指摘を繰り返しました。

『奈緒ってさ、本当に掃除が雑だよな。女なんだから、もうちょっと丁寧にできないの?』

疲れて帰ってきた私に、棚の上の、ほんの小さな埃を指さして、彼は、平然とそう言い放ったのです。
私の家事への努力を、感謝するどころか、見下し、馬鹿にする。
その一言が、私たちの関係に、終止符を打つきっかけになりました。

別れた彼、久しぶりの電話の内容とは

彼と別れてから、数年後。

私は、新しい恋人との、穏やかで、幸せな毎日を送っていました。
そんなある日の夜、非通知設定の電話が、私のスマホを鳴らしたのです。

おそるおそる電話に出ると、聞こえてきたのは、懐かしく、そして、思い出したくもない達也の声でした。

彼は、別れてからずっと、一人暮らしをしていると。
そして、信じられない言葉を、続けたのです。

『…それでさ、本当に、本当に申し訳ないんだけど…。今度、部屋の掃除、手伝ってもらえないかな…?少しでいいから…。もちろん、お礼はするから』

聞けば、彼の部屋は、ゴミ屋敷寸前。
家事が全くできず、困り果てて、私に助けを求めてきたのでした。

私は、呆れて言葉も出ませんでした。
あれほど、私の掃除を「雑だ」と罵っていた彼が、その私にお金を払うから掃除をしてくれ、と頭を下げている。
これほど、滑稽な話があるでしょうか。

私は、電話の向こうで必死に訴える彼に、明るい声でこう言ってやりました。

「ごめんなさい。私、昔から、雑な掃除しかできないから、お役には立てそうにないわ」

そして、彼の返事を待たずに、静かに電話を切りました。
人の好意を当たり前だと思っていた彼は、その罰を、数年越しに、自分自身で受けることになったのです。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

 

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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