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毎日4時間、私から人生を奪う通勤電車。その『地獄』を『武器』に変え、自由を手にした話【短編小説】

「行ってきます」と「ただいま」の間、毎日4時間。
それが、私が満員電車に揺られていた時間でした。
私の名前は亜矢。
郊外の家から都心のオフィスまで、片道2時間かけて通勤するのが、私の日常でした。
窓の外を流れる景色をぼんやりと眺め、スマホを漫然とスクロールする。
会社に着く頃にはもう疲れ果てていて、帰りの電車ではただ眠るだけ。
そんな、自分の人生の貴重な時間を、まるでドブに捨てているような感覚に、ずっと苛まれていました。
転機は同僚の退職でした
転機が訪れたのは、同僚の恵さんが退職した時です。
彼女は、在宅で働けるウェブデザインの資格を、通勤時間を活用して取得したと言いました。
「これからは、自分のペースで働けるの」と話す彼女の笑顔が、私の胸に突き刺さりました。
その日の帰り道、私は決意しました。
この退屈な通勤電車を、私のための「勉強部屋」にしよう、と。
すぐに、以前から興味のあったファイナンシャルプランナーの資格について調べ、スマホで学べる通信講座に申し込みました。
次の日から、私の通勤時間は一変しました。
電車内での未来の投資
ノイズキャンセリングイヤホンで周りの雑音を遮断し、参考書を開く。
電車の揺れは、心地よいリズムにさえ感じられました。満員で座れない日も、吊り革に掴まりながら、スマホで講義の動画を見る。
辛い時もありましたが、「未来の自分への投資だ」と思うと、不思議と頑張れたのです。
そして一年後。
私は、合格通知を手にしました。
新しい資格を武器に、私は転職活動を開始。
今では、週のほとんどを在宅で勤務できる会社で、専門知識を活かして働いています。
あの地獄のようだった毎日4時間の通勤は、もうありません。
振り返れば、あの通勤電車は、私にとって最高の勉強部屋でした。
時間がない、場所がないと諦めるのは簡単です。
でも、今の環境がどうであれ、使い方次第で未来は変えられる。
不満だらけだったあの通勤時間が、私に理想の働き方と、新しい人生をプレゼントしてくれたのです。
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【編集部注】
本記事は、資格取得をテーマにした創作の小説であり、登場する人物や団体、出来事はすべて架空のものです。記事内で描かれている資格取得による転職やその後の展開は物語上の演出であり、同様の結果を保証するものではありません。
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