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「出張のお土産、期待してて」と連絡する夫→夫のスーツケースから出てきたレシートを見ると【短編小説】

「出張のお土産、期待してて」と連絡する夫→夫のスーツケースから出てきたレシートを見ると【短編小説】
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
出張に行った夫
結婚して3年、私たちは周りから「理想の夫婦」なんて言われることも多い、ごく普通の仲良し夫婦でした。
夫は優しくて真面目。仕事が忙しいのが玉に瑕ですが、それも家族のためと私は支えてきたつもりです。
今回の出張先は九州。
「出張のお土産、期待してて」
というメッセージに、私は「楽しみにしてる!気をつけてね」と返信しました。
家で一人、彼の帰りを待つ時間は少し寂しいけれど、お土産話を聞くのを楽しみに、彼の好物を用意して待っていたんです。
予定通りに帰宅した夫は、演技かと思うほど大げさに「いやぁ、会議が長引いて大変だったよ」と肩を回しました。
「移動だけでも疲れちゃって」と言い訳のように呟き、スーツケースを玄関に置いたまま、早々にお風呂場へと消えていきました。
私はいつものように、「お疲れ様」と心の中で労いながら、スーツケースの片付けを始めました。
ワイシャツはクリーニングへ、下着は洗濯機へ。
手際よく仕分けをしていた時のことです。
スーツケースの底のポケットに、くしゃくしゃになった紙切れが入っているのに気がつきました。
ゴミかな、と思って捨てようとして、ふと印字された文字が目に入ったのです。
それはホテルの領収書でした。
ホテルの場所が…
でも、おかしいんです。夫が行っていたはずの九州のホテルではありません。
住所を見ると、そこはなんと自宅から電車でたった2駅、タクシーでも帰ってこられるような近所のビジネスホテルでした。日付は昨日の夜。大人2名での利用履歴。
「え……どういうこと?」
思考が停止しました。
九州出張じゃなかったの? リビングのテーブルには、彼が「空港で買ってきた」と言って渡してくれた有名なお菓子が置いてあります。
でもそれ、駅前のデパートの地下でも売っているものです。
サーッと血の気が引いていくのがわかりました。
彼はわざわざ嘘をついて、近所のホテルに泊まっていたのです。
お風呂場から聞こえる彼の鼻歌が、これまでとは全く違う、不気味なものに聞こえてきました。
手の中にあるたった一枚のレシートが、私たちの幸せな日常を切り裂くナイフのように感じられてなりません。
今夜、彼にお土産の感想をどう伝えればいいのでしょうか。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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