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「1週間くらい大丈夫、節約だから」と古い食材を出す妻。こっそり、夫だけ違う料理を食べた結果【短編小説】

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
節約が招いた悲劇
ここ最近、スーパーに行くたびにため息が出てしまいます。
野菜もお肉も、何もかもが高いですよね。
家計を預かる身として、少しでも食費を抑えたいと必死になる毎日です。
そんなある日、冷蔵庫の奥から「消費期限が1週間過ぎたひき肉」を発見してしまいました。
ラップ越しに見る色は少し茶色く変色していて、鼻を近づけると酸っぱいような臭いが少しだけします。
普段なら迷うところですが、今の私は節約モード。
「火を通せば菌なんて死ぬし、味付けを濃くすればバレないはず!」と、強引にハンバーグにすることにしました。
夕食の食卓に並んだハンバーグを見て、夫は少し訝しげな顔をしました。
「なんか、いつもと匂い違わない?」と聞く夫に、私は平然とした顔でこう言い放ちました。
「しっかり焼いたし平気よ」
夫は「うーん……」と煮え切らない返事をしつつ、箸をつけました。
しかし、やけに食べるのが遅いのです。
結局、夫は「今日はお昼が遅かったから、お腹空いてないや」と言い残し、ほとんど残して自室へ戻ってしまいました。
私は「せっかく作ったのに! もったいない」と腹を立てつつ、夫の残した分まで自分で平らげました。
案の定の結末
事件が起きたのは、その数時間後です。
深夜、突然お腹を雑巾で絞られたような激痛に襲われました。
脂汗が止まらず、トイレから一歩も出られません。
上からも下からも大変なことになり、意識が遠のきそうでした。
騒ぎを聞きつけて起きてきた夫は、私の姿を見て慌てて救急相談に電話をしてくれました。
その時、夫がポツリと言ったのです。
「実は俺、なんとなくヤバい気がして食べてないんだよね……こっそりコンビニでおにぎり食べて済ませちゃった」
結局、私は急性胃腸炎で翌日病院へ行く羽目になりました。
数百円のお肉を惜しんだ結果、数千円の診察代と薬代がかかり、さらに丸二日間寝込んでパートも休むことに。
「節約」のつもりが、一番の「浪費」になってしまったのです。
夫だけが無事だったのが唯一の救いですが、げっそりした私を見て「これからは無理しないで捨てようね」と苦笑いされました。
健康こそが一番の節約なのだと、身をもって痛感した出来事です。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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