Share
「ドン!」と荷物で席取りする図々しい客。注意できない私の代わりに、背後の男性が放ったある正論とは

座席を独占する迷惑な乗客
仕事が終わって、心身ともにクタクタの帰り道。「あぁ、早く帰って泥のように眠りたい……」そんなことを考えながら、私はいつものように電車に揺られていました。
30代になり、仕事の責任も増え、ヒールで歩き回った足はもう棒のよう。そんな時、目の前に奇跡が起きました。駅に到着し、目の前の席が空いたのです。「やった、座れる!」と心の中でガッツポーズをした瞬間でした。
私の希望を打ち砕くように、信じられない光景が目に入りました。
私が座ろうとしたその席には、隣に座っていた乗客が自分の大きな荷物を、「ドン!」置いたのです。最初は「これから荷物を膝に乗せるのかな?」と思い、待ってみました。
しかし、その乗客はスマホに夢中で、目の前に私が立っているにもかかわらず、荷物をどかす素振りすら見せません。
「あの、そこ座りたいんですけど……」
喉まで出かかった言葉を、私は飲み込みました。疲れている時にトラブルになるのは避けたいですし、何より「どいてください」と言って、舌打ちでもされたらと思うと怖くて言い出せなかったのです。
この理不尽な状況に、胸の奥でモヤモヤとした黒い感情が渦巻き始めました。「なんで私がこんな思いをしなきゃいけないの?」と、泣きそうな気分になった、その時です。
理不尽を打ち砕いた「ある一言」
「ここ、荷物の席じゃないですよ」
凛とした声が車内に響きました。声の主は、私の後ろに立っていたスーツ姿の男性でした。
その言葉に、周りの乗客たちからも「そうよ」「マナー違反よね」といった無言の圧力が一斉に向けられました。
スマホに夢中だったその乗客は、ハッとして顔を上げ、周囲の冷ややかな視線に気づいた途端、顔を真っ赤にして慌てて荷物を膝の上に抱え込みました。
「どうぞ」
声を上げてくれた男性が、私に優しく微笑みかけてくれました。私は何度も頭を下げて、その席に座らせてもらいました。
見ず知らずの私に助け船を出してくれた周囲の人たちの温かさが、何倍も心に染みました。
一人の身勝手な行動にはモヤモヤしましたが、それ以上にたくさんの「正義」と「優しさ」に触れることができた帰り道。
おかげで、足の疲れも吹き飛ぶくらい、心は晴れやかに、スカッとした気分で家路につくことができました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
******************
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
******************
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
日常の「モヤモヤ」「スカッと」「ゾッと」
体験を教えてください!
\ 体験談の応募フォーム /
※体験談をもとにGLAM編集部で再構成(個人が特定されない形でフィクション化)し、記事化させていただきます。
友だち登録&アンケート回答で「Amazonギフトカード」など好きな商品を選べるギフトを毎月抽選で5名様にプレゼント!
\ 今すぐ応募する /
Feature
特集記事

