Share
「どう責任取るんだよ！」とキレる取引先。原因が取引先の指示ミスだと判明し、空気が一変！【短編小説】
INDEX
響き渡る怒号
「どう責任取るんだよ！ お宅のせいで計画が台無しだ！」
会議室のドアが震えるほどの怒号。私の心臓は早鐘を打っていました。
私は入社3年目の営業アシスタント。目の前では、取引先の担当者である中年男性が顔を真っ赤にして激昂しています。隣にいる私の上司は「申し訳ございません」と深々と頭を下げるばかり。
事の発端は、納品した商品の「色」でした。先方は「青で発注したはずだ」と主張していますが、届いたのは「赤」。
「こんな初歩的なミスをするなんて、社会人として終わってるぞ！ 損害賠償も請求させてもらうからな！」
男性の言葉はどんどん過激になり、上司の顔色は青ざめていきます。その場の空気は最悪で、胃がキリキリと痛むような重苦しい沈黙が流れました。
でも、私は知っていたのです。これがこちらのミスではないことを。私は震える手を膝の上で一度強く握りしめ、覚悟を決めました。
決定的な証拠と逆転の瞬間
「恐れ入ります。〇〇様」
私が静かに声を上げると、男性はギロリと私を睨みつけました。
「なんだ、まだ言い訳する気か？」
「いいえ、事実確認だけさせていただきたく存じます。こちらをご覧ください」
私は手元のタブレットを操作し、一件の過去メールを表示させてテーブルの中央に置きました。それは、プロジェクトが始まった当初に男性から送られてきた指示書でした。
「あぁ？ なんだこれ」
男性は乱暴にタブレットを覗き込みます。そこには、明確な文言でこう書かれていました。
『当初の予定を変更し、今回はすべて“赤色”で統一してください。』
その一文を目にした瞬間、男性の動きがピタリと止まりました。
「え……あ、いや……」
数秒前までの威勢の良さはどこへやら。男性の額から、タラリと冷や汗が流れるのが見えます。どうやら、多忙の中でご自身が出した変更指示を完全に忘れていたようでした。
会議室に、先ほどとは全く違う種類の静寂が訪れます。
ずっと頭を下げていた上司が、ゆっくりと顔を上げました。そして、冷静な声で告げます。
「……ということで、弊社はご指示通りに納品させていただいておりますが、いかがなさいましょうか？」
「あ、いや、その……私の勘違いだったようだ。す、すまない……」
蚊の鳴くような声で謝罪する男性。あんなに理不尽に怒鳴られていた空気が、たった一つの証拠で一変した瞬間でした。
その後、男性は急に低姿勢になり、帰り際にはお菓子まで持たせてくれました。会社を出た瞬間、上司と二人で「やったね！」と小さくガッツポーズ。
理不尽なクレームに泣き寝入りせず、冷静に記録を残しておくことの大切さを痛感した出来事でした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
日常の「モヤモヤ」「スカッと」「ゾッと」
体験を教えてください！
＼ 体験談の応募フォーム ／
※体験談をもとにGLAM編集部で再構成（個人が特定されない形でフィクション化）し、記事化させていただきます。
友だち登録＆アンケート回答で「Amazonギフトカード」など好きな商品を選べるギフトを毎月抽選で５名様にプレゼント！
＼ 今すぐ応募する ／
Gallery
SHARE !
この記事をシェアする
Follow us !
GLAM公式SNSをフォローする
Feature
特集記事
