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「あの、盗みましたよね?」。身に覚えのない疑い…私のカバンに知らない商品が…なぜ?実は…【短編小説】

スーパーでかけられた突然の疑い
仕事帰りのスーパー。特売の野菜と牛乳をカゴに入れ、明日の朝のパンを選んでレジへ向かう。いつも通りの、なんてことのない日常の一コマです。
レジを通り抜け、買ったものをエコバッグに詰め替え、店の出口に向かおうとした、その時でした。
「お客様、少々お待ちいただけますか」
背後からかけられた、低く、鋭い声。
振り返ると、険しい表情をした制服姿の店員さんが、まっすぐ私を見ていました。何事かと戸惑う私に、彼はさらに低い声でこう言ったのです。
「あの、盗みましたよね?」
時が止まったようでした。
「え…?」
私が? まさか。心臓がドクンと嫌な音を立てて鳴り始めます。
「な、何のことですか? 盗んでなんかいません! レシートだって、ほら…」
私は慌ててレシートを握りしめて見せましたが、店員さんの疑いの目は晴れません。
周囲のお客さんが何事かと足を止め、私たちを遠巻きに眺めています。好奇の視線、疑うような視線。まるで私が本当に犯罪者であるかのように。恥ずかしさと恐怖で、顔がカッと熱くなりました。
「申し訳ありませんが、規則ですので。カバンの中を拝見しても?」
拒否するわけにもいかず、私は震える手で愛用のトートバッグの中身を、近くのカウンターの上に出し始めました。財布、化粧ポーチ、手帳、スマホ…。
その時、店員さんの手が止まりました。
「これは?」
彼が指さしたのは、鮮やかな青い箱。見覚えのない、高価そうな美容液でした。
「知りません…私、こんなもの…買った覚えは…」
なぜ? どうしてこんなものが私のカバンに? 頭が真っ白になりました。
「事務所に来ていただけますか?」
もう、泣き出す寸前でした。私は震えながら「防犯カメラを確認してください! 絶対に盗んでいません!」と必死に訴えました。
カメラが捉えた衝撃の真実
事務所に通され、店長らしき男性も加わりました。重い空気の中、再生された映像を全員で見つめます。
そこには、私が野菜コーナーで足を止め、カバンが少し開いた状態になっている瞬間が映っていました。
そして…。
私が商品に目を落とした、ほんの一瞬。私とすれ違った見知らぬ女性が、信じられないほど自然な動作で、あの青い箱を私のカバンに滑り込ませたのです。
「あ…!」
店員さんたちが息を呑むのが分かりました。その後、店長と店員さんは、顔面蒼白になって何度も何度も私に頭を下げました。
「申し訳ございませんでした! こちらの完全な見落としです…!」
疑いが晴れた安堵で、私はその場に崩れ落ちそうになりました。
あの見知らぬ女性が、なぜあんなことをしたのかは分かりません。もしかしたら、彼女自身が盗んだもので、私を身代わりにしようとしたのかもしれません。
無事に店を出ることはできましたが、あの冷たい視線と、疑われた時の恐怖は今も忘れられません。あの日以来、私はファスナーがしっかり閉まるカバン以外は使えなくなりました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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