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今の家に住んで8年「家賃上がります」と急な通達。大家に抗議するも聞く耳もたず。すると夫が【短編小説】

急に上がった家賃
この家に住んで、8年になります。
駅からは少し遠いですが、日当たりが良くて、私たち家族にとっては「我が家」と呼べる大切な場所でした。
そんなある日、ポストに一枚の封筒が。 開けてみると、そこには「お知らせ。次回の分から家賃上がります」と書いてありました。
そこには、来月から今より2万円も高い金額が書かれていたのです。
「どうしよう、急にこんな…!」
私は慌てて、管理会社ではなく、昔からの付き合いの大家さんに直接電話をしました。
「大家さん、見ました、お知らせ。でも、8年間、一度も家賃を滞納したことはありません。いきなり2万円は、あまりにも…」
必死で訴えましたが、大家さんの返事はとても冷たいものでした。
「いや、決まったことだから。周りの相場も上がってるし。それが払えないなら、別に出て行ってもらっても構いませんよ」
ガチャン、と電話は切られました。
あまりの言い草に、悔しくて涙が出そうになりました。
そのやり取りを、夫は隣で黙って聞いていました。
夫の策略
私が「もう引っ越すしかないかも…」とつぶやいた時、夫が静かに私のスマホを手に取りました。
「俺がもう一度電話してみる」
そして、大家さんに電話をかけ直したのです。
「あ、どうも。先ほどの家賃の件、読みました。……ええ、承知しました。来月から、その金額をお支払いします」
「えっ、あなた!」 私が止めるのも聞かず、夫は続けました。
「その代わり、と言ってはなんですが。8年間、一度も交換してもらっていない、お風呂の壊れた換気扇。それから、去年の台風で雨漏りしたままの、寝室の壁紙。あと、ずっと調子が悪いエアコン。 『相場通り』の家賃を払うんですから、これらすべて、今週末までに『相場通り』に修理・交換してもらえますよね? 業者さん、手配お願いします」
電話の向こうで、大家さんが息を呑むのがわかりました。
「あ、いや、それは、その…」
数分後。
「……今回は、家賃、据え置きでいいです」
夫は「そうですか」とだけ言って電話を切り、私にニヤリと笑いかけました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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