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「産むなら仕事は辞めろよ」妊娠検査薬を見ながら言う夫。産後、妻が書き残したメモを見て絶句【短編小説】
「産むなら仕事は辞めろよ」妊娠検査薬を見ながら言う夫。産後、妻が書き残したメモを見て絶句【短編小説】
出産か仕事か
あの日のことは、一生忘れません。
妊娠検査薬に浮かんだ、二本の線。
嬉しい、でも、どうしよう。
私は、今の仕事が大好きでした。
「ねえ、これ……」
私が差し出した検査薬を、夫はぼんやりと見つめ、そして、私にではなく、まるでモノに言い聞かせるように呟きました。
「産むなら仕事は辞めろよ」
血の気が引きました。
それは「相談」ではなく、冷たい「決定」でした。
彼は、私がキャリアを築いてきたことを知っているはずなのに。
その一言で、私は「パートナー」ではなく、ただの「母親」という役割に押し込められた気がしました。
私は、深く傷つきました。
でも、泣きませんでした。
「……わかった」
私は静かにそう答えました。
ですが、心の中では、別の決意を固めていました。
出産は想像を絶する大変さでしたが、夫は
「俺は稼ぐから」
と、育児も家事もどこか他人事。
彼は私が当然、仕事を辞めた(辞める)ものとして振る舞っていました。
家族での育児
そして、私の育児休暇が明ける、その日。
夫がいつも通り会社から帰宅すると、家はシーンと静まり返っていました。
いつもなら、私と子供がリビングで迎える時間です。
「……おい、いるのか?」
返事はありません。不安になった夫がリビングに入ると、テーブルの上に、一枚のメモがポツンと置かれていました。
それは、私の字でした。
「お疲れ様です。
今日から仕事に復職しました。
保育園のお迎えは私が済ませて、今、子供と一緒に実家に寄っています。
あなたは、私が仕事を辞めると言いました。
でも、私は、母親も、仕事も、どっちも辞めません。
あの時、私が『わかった』と言ったのは、『あなたの考えはわかった』という意味です。
これは、今週からの家事と育児の分タン表です。明日の朝は、あなたの保育園送迎担当日です。
私は、あなたとの『一方的な関係』は今日で辞めます。
私たち、夫婦でしょう?」
夫は、そのメモと、横に添えられたびっしりと書き込まれた家事育児のスケジュール表を交互に見比べたまま、その場に立ち尽くし、絶句していました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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