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公園で見つけた見覚えのあるベビーカー。「私のベビーカー盗みましたよね?」と問い詰めた結果【短編小説】

盗まれたベビーカーとの再会
「真奈美さん、気分転換に行こうよ! いい天気だし」
友人の美里さんが、近所の大きな公園に誘ってくれました。
実は私、少し落ち込んでいたんです。先日、大切に使っていたベビーカーを盗まれてしまって……。ほんの少しの時間、アパートの玄関先に置いていただけなのに。警察にも届けましたが、見つかる可能性は低いと言われていました。
公園は、平日にもかかわらず多くの親子連れで賑わっていました。
「あー、やっぱりベビーカーがないと不便だよね……」
美里さんとそんな話をしながら歩いていると、ふと、ある一点に目が釘付けになりました。
芝生の上で楽しそうにおしゃべりをしているママ友グループ。その傍らにある、一台のベビーカー。
(あれ……?)
うちで使っていたものと、色も形も、限定モデルのチャームまでそっくりだったのです。
心臓がドクドクと鳴り始めました。でも、まさか。こんな公の場で。
「どうしたの、真奈美さん?」
「美里さん……あれ、もしかしたら……」
私は意を決して、そのグループに近づきました。ベビーカーのそばにいたのは、五十嵐さんと名乗る女性でした。
決定的な証拠「名前タグ」
「あの、すみません。そのベビーカー、すごく見覚えがあるんですけど……」
五十嵐さんは一瞬キョトンとした後、私を値踏みするように見て言いました。
「はぁ? 何ですか急に。これ、うちのですけど」
「でも、本当にそっくりで。失礼ですが、少し見せてもらっても?」
「嫌ですよ、失礼な! 人のものをジロジロ見て」
五十嵐さんは明らかに動揺し、ベビーカーを隠すように立ちふさがりました。一緒にいた人たちも「何この人」という目で私を見ています。
もう、引けませんでした。
「私のベビーカー盗みましたよね?」
私はハッキリと言い放ちました。
「うちの子の名前、刺繍したタグをつけてあるんです。ハンドルの内側に」
私の言葉に、五十嵐さんは「え?」と声を漏らし、慌ててハンドルの内側を確認しようとしました。
その瞬間です。
ベビーカーの日除けから、プラリと揺れるものが見えました。盗まれた時につけたままだった、手作りの小さなキーホルダー。
そして、五十嵐さんが確認しようとしたハンドルの内側。そこには、娘の名前タグが、ハッキリと見えていたのです。
「あ……」
五十嵐さんはもちろん、周りにいた彼女の友人たちも、そのタグを見て全員が凍りつきました。
五十嵐さんは顔面蒼白になり、何も言えなくなりました。
その後、すぐに警察を呼び、彼女は盗難を認めました。フリマアプリで売るつもりだったそうです。
大切なベビーカーは無事に戻ってきました。あんなに堂々と使うなんて信じられませんが、勇気を出して声をかけて本当に良かったです。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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