Share
「すぐ返すから!なんでもするから!」借金を返さない友人。ある1通の封筒に絶望する【短編小説】

信じた友人への10万円
先日、大学時代からの友人だった可奈子が、深刻な顔で「今月だけ、どうしても生活費が足りなくて。給料が出たらすぐに返すから、10万円貸してくれない?」と頭を下げてきました。
私たちはもう10年近い付き合いです。彼女がお金に困っている姿など見たことがなかったので、よほどのことだろうと思い、私は「わかった。困ったときはお互い様だから」と、その場で10万円を渡しました。それが間違いの始まりでした。
約束の給料日になっても、彼女から連絡はありません。私から「どうなった?」とLINEを送ると、「ごめん!ちょっと急な出費があって、来月でもいい?」と返事が。
まあ、そういうこともあるかと思い、私は了承しました。
しかし、翌月になっても返済はなく、次第に彼女からの返信は途絶えがちになりました。電話にも出ません。
それなのに、彼女のSNSは頻繁に更新されていました。新しい服、高級レストランでのディナー、週末の小旅行……。
それを見た瞬間、私の中で何かが切れました。
「返す気あるの?」
怒りを込めて送ったメッセージは、無情にも「既読」がついたまま放置されました。
私は決心しました。これはもう友人としての関係ではない、と。 悩んだ末、私は一通の封筒を用意し、彼女の住んでいる実家宛に、内容証明郵便で送付しました。
私が送った「最後通告」の手紙
その日の夜、私のスマートフォンが鳴り止まないほどの着信で震えました。画面には「可奈子」の文字。
電話に出ると、想像とは違う、泣きじゃくった彼女の声が響きました。
「ごめんなさい!ごめんなさい!すぐ返すから!なんでもするから!婚約者だけはやめて!」
私が送った封筒の中身。
それは、もちろん借用書のコピー(サイン入りのもの)も入れましたが、それだけではありません。
同封したのは、彼女が「親が病気で入院したからお金がない」と私に嘘をついていた時期に、元気に旅行していることがわかるSNSの投稿を印刷したもの。
そして、決定打は「彼女の婚約者の住所」が書かれたメモでした。
彼女は最近、良家の方と婚約したことを自慢げに話していました。私は彼女のSNSの投稿や友人の話から、その婚約者の情報をある程度把握していたのです。
封筒には、こう書き添えました。
「ご両親、または婚約者、どちらにご相談するのが筋でしょうか?アドバイスをいただけますか?」
彼女は、自分がお金にだらしないこと、そして平気で嘘をつく人間であることが、婚約者に知られることを何よりも恐れたのです。
翌朝、私の口座にはきっちり10万円が振り込まれていました。
もちろん、彼女との関係はそれっきりです。お金は戻ってきましたが、大切な友人を失いました。でも、あのまま踏み倒されていたら、私はもっと苦しんでいたと思います。
今はもう、気持ちはスッキリしています。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
******************
心に響くストーリーをもっと読みたい方
【他のおすすめ短編小説を見る】
******************
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
友だち登録&アンケート回答で「Amazonギフトカード」など好きな商品を選べるギフトを毎月抽選で5名様にプレゼント!
\ 今すぐ応募する /
Feature
おすすめ記事

