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【床下の住人・前編】「聞こえてるんでしょう?」郊外の古い一軒家、床下から聞こえる謎の声【長編小説】

床下の住人前編聞こえてるんでしょう郊外の古い一軒家床下から聞こえる謎の声長編小説

夜中に聞こえる笑い声

引っ越してきたのは、春の終わりだった。
仕事の都合で、郊外の古い一軒家に住むことになった。
駅から少し遠いけれど、家賃が安く、庭もある。最初は、掘り出し物だと思った。

 

最初の異変に気づいたのは、二週間ほど経ったころ。
夜中、布団の中でうとうとしていると、どこかで「コン、コン」と木を叩く音がした。
最初は風かと思った。
でも、毎晩ほとんど同じ時間に、同じ音が続く。
耳をすませると、それは“床の下”からだった。

ある夜、その音に混じって、かすかに「フフッ」という笑い声のようなものが聞こえた。
鳥肌が立った。気のせいにしたかったけれど、次の瞬間、床がわずかに沈んだ気がした。
怖くなって電気をつけると、何もない。
ただ、畳の継ぎ目から冷たい風が上がってきていた。

怖くなった私は…

翌日、不動産会社に電話をした。
「夜になると、床下から音がするんです」と伝えると、担当者が管理人の男性を呼んでくれた。
年配のその人は、私の話を黙って聞いたあと、しばらく沈黙してからこう言った。

「……ああ、その家、もともと地下室があったんですよ」

驚いて詳しく聞こうとしたけれど、「今は塞いであるはずですから」とだけ言って、彼はそれ以上話さなかった。

気になって、ネットでこの住所を検索した。
すると、古い掲示板に「○○市××町の家、夜中に誰かが歩く音がする」と書かれた投稿を見つけた。
投稿は十年以上前。
けれど、間取りも住所も一致している。

私はもう、家の中で一人でいるのが怖くなった。
それでも、確かめずには眠れない。
次の夜、懐中電灯を持って床下の換気口に耳を当てた。

……そのとき、微かに聞こえた。

「聞こえてるんでしょう?」

喉が凍りついた。
声は、確かに私に向かって話していた。
懐中電灯の光が震え、地面に落ちた。
土の隙間から、黒い影のようなものが、ゆっくりと揺れていた。

後編へ続く

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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