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「話にならない」私の企画をボツにした上司。その企画を盗んで、大恥をかいた理由とは?【短編小説】

話にならない私の企画をボツにした上司その企画を盗んで大恥をかいた理由とは短編小説

盗まれた私の大切な企画書

私は商品開発会社で働き始めて5年目になります。

「話にならない。こんな企画、誰が通すと思うんだ」

1年前、私が寝る間も惜しんで練り上げた自信作の企画書を、加藤課長はゴミ箱に捨てるかのように突き返しました。その企画には、会社の未来を変える力があると信じていただけに、本当に悔しくて、トイレで一人泣いたのを今でも鮮明に覚えています。

それから1年が経ったある日のこと。会社の未来を左右する、重要な会議が開かれました。

「この画期的な企画で、必ずや大型契約を勝ち取ってみせます!」

自信満々にそう宣言した加藤課長が、スクリーンに企画書を映し出しました。その瞬間、私は息を飲みました。そこに映し出されていたのは、フォントや細かなデザインまで、全てが見慣れたものだったからです。

そう、私が1年前にボツにされた、あの企画書そのものだったのです。ご丁寧に、作成者の名前だけが「加藤」に書き換えられていました。

努力が正当に報われた日

発表が終わり、役員たちが企画書に目を通し始めると、場の空気が少しずつ変わっていくのが分かりました。

「加藤君、この企画の根幹となる市場データだが、これは去年のものじゃないかね?現状とは少しズレがあるように思うが」

鋭い指摘をしたのは、普段から温厚で知られる中村部長でした。

「え、あ、それは…その…すぐに最新のものに差し替えます!」

加藤課長は、滝のように汗を流しながらしどろもどろに答えます。それもそのはずです。彼が盗んだのは企画の骨子だけ。

その後の地道なデータ更新や、懸念点への対策は、ボツにされた後も私がコツコツと手元の資料で進めていたからです。

「それに、この企画の最大のリスクについて、君はどう対処するつもりなんだね?」

中村部長の追及は止まりません。加藤課長が完全に言葉に詰まった、その時でした。中村部長は静かにため息をつき、一枚の書類を机に置きました。

「これは去年、田中さんから提出された企画書の原本だ。ここには、君が答えられなかったデータ更新の必要性と、リスクへの具体的な対策が、きちんと書かれているじゃないか」

会場の視線が一斉に私と、顔面蒼白の加藤課長に集まります。

「『その企画、私が去年ボツにしたものです』とは、今更言えないよなぁ、加藤君」

中村部長の静かな、しかし重い一言が会議室に響き渡りました。加藤課長は顔を真っ赤にして、ただうつむくだけでした。

この一件で、私は正当な評価を受けることができ、自分の努力は決して無駄ではなかったのだと、胸が熱くなりました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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