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幸せの絶頂で見た彼のスマホ画面。そこに映っていたのは…マッチングアプリの他の女性だった【短編小説】

幸せの絶頂、のはずだった夜
マッチングアプリで出会った高橋さんの笑顔が、私は大好きでした。プロフィール写真で見た、くしゃっと笑う太陽みたいな笑顔。
実際に会ってみると、彼は写真以上に素敵な人でした。メッセージでも、デートでも、いつも穏やかで、私の話を「うん、うん」と優しく聞いてくれるんです。
「佐藤さんのそういう真面目なところ、すごく素敵だね」なんて言いながら、あの笑顔を向けてくれる。もう、すっかり彼の虜でした。
その日は、楽しみにしていた3回目のデート。夜景の見えるお洒落なレストランのカウンター席で、私たちは並んで座っていました。彼がふとスマホに目を落とし、口元がゆるんだのが見えました。
またあの笑顔だ。友達との面白いやり取りでも見ているのかな、なんて微笑ましく思っていたんです、その瞬間までは。
でも、彼の肩越しに画面を覗き込んでしまい、私は息を飲みました。そこに映っていたのは、紛れもなく、私たちが使っていたマッチングアプリの画面。
次々と現れる他の女性のプロフィールを、彼はとても楽しそうにスワイプしていたのです。彼の笑顔の中に、特別な存在としての「私」はどこにも映っていなかった。
心がすーっと冷えていくと同時に、ふつふつと怒りが湧き上がってきました。
最高の笑顔で、さようなら
私はすっと表情を消し、彼が顔を上げるのを待ちました。
「……ん?どうしたの?」
何も知らない様子の彼に、私はとびきりの笑顔を向けて言いました。
「高橋さん、すごく楽しそうですね。そんなに素敵な笑顔で見てるってことは、次のデートのお相手、もう見つかったんですか?」
彼の顔がみるみる青ざめていきます。
「その笑顔、私に向けられたものじゃなかったんですね。残念。じゃあ、私はこれで失礼します。素敵なお店の予約、ありがとうございました。お会計、よろしくお願いしますね」
私はそう言い残し、呆然とする彼を置いて、ヒールを鳴らしながら店を出ました。冷たい夜風が、最高に気持ちいい。最高の夜になりました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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