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自宅の植木鉢が次々割れる恐怖…見えない敵は意外と近くにいた【短編小説】
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忍び寄る見えない敵
一人暮らしを始めて3年。
私、里奈(りな)の部屋は、まるで小さなジャングルです。
観葉植物を育てるのが趣味で、窓辺や棚には大小さまざまな鉢が並んでいます。
緑に囲まれて暮らすのが、私にとって最高の癒やしでした。
ある日の朝、いつものようにベランダの植物に水をやろうとすると、お気に入りの小さな植木鉢が割れているのを見つけました。
強風で倒れたのかな、と最初はあまり気にしませんでした。
しかし、その次の日も、またその次の日も、同じようなことが続きました。
まるで何者かに叩きつけられたかのように、きれいに割れているのです。
最初は偶然だと思っていた私も、さすがに不審に思い始めました。
毎日、割れる植木鉢に怯えながら過ごす日々。
もしかして、誰かに嫌がらせをされているのでしょうか?しかし、私にはまったく心当たりがありません。近所付き合いも特になく、誰かの恨みを買うようなこともしていないはずでした。
数日後、ついに部屋の中にも被害がおよびました。朝起きてリビングに行くと、大切に育てていたガジュマルの木が入った植木鉢が、粉々に割れていました。
もう恐怖で、体が震えました。警察に相談するべきか、それともすぐに引っ越しをするべきか、頭の中が混乱しました。
そんな時、ふと、隣の部屋に住む大樹(だいき)さんのことが頭をよぎりました。大樹さんとはほとんど顔を合わせませんが、時々、壁越しに大きな物音が聞こえてくることがありました。
もしかしたら、犯人は大樹さんなのでしょうか?私は、思い切って大樹さんの部屋のドアをノックしました。
犯人は意外なところに
ドアを開けてくれた大樹さんは、突然の訪問に少し驚いたようでした。私は勇気を出して、植木鉢の件をすべて話しました。すると、大樹さんは真剣な表情で私の話を聞いてくれました。
「それは大変でしたね。僕も何か手伝えることがあれば……」
その言葉に、私は少しだけ安心しました。
もしかしたら、大樹さんは無関係だったのかもしれません。
話をしていると、大樹さんの部屋の隅に、見覚えのあるヒビの入った植木鉢が置いてあるのが見えました。それは、私がベランダに置いていたものです。
「あの、それって……私の植木鉢ですか?」
大樹さんは顔を赤くして、バツが悪そうにうつむきました。
「実は、里奈さんのベランダに、僕が飼っている猫がよく遊びに行ってて……。その猫が、植木鉢を倒してしまったみたいなんです。里奈さんに嫌な思いをさせてしまうと思って、なかなか言い出せなくて……本当にごめんなさい。」
犯人は、まさかの大樹さんの飼い猫だったのです。私は拍子抜けして、思わず笑ってしまいました。
それからというもの、大樹さんは新しい植木鉢をプレゼントしてくれたり、猫がベランダに行かないように対策をしてくれたりしました。
今では、大樹さんとはすっかり仲良しです。見えない敵だと思っていたのは、実は隣に住む優しい人だったのです。この出来事のおかげで、私たちは素敵な友情を築くことができました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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