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スーパーで「かご持ちすぎで邪魔」と文句を言われた私。数分後、その人がレジで列を止めていた【短編小説】

スーパーでかご持ちすぎで邪魔と文句を言われた私数分後その人がレジで列を止めていた短編小説

近所のスーパーで理不尽な文句を言われた私

私の名前は彩香(あやか)です。
週末の夕方、一週間分の食材を買い込むため、私は近所のスーパーを訪れました。
特売品も多く、店内はかなりの混雑。
私はカートに買い物かごを二つ乗せ、人波をかき分けるようにして目的の売り場へ向かっていました。

冷凍食品コーナーで立ち止まった時のことです。
「ちょっと、あなた。かご二つも乗せてて邪魔なんですけど」

鋭い声に振り返ると、腕を組んだ中年女性、佐藤さんが不機嫌そうな顔で立っていました。

「一つにまとめるとか、少しは周りのことを考えたらどうなの?」

確かに通路は狭いですが、二つのかごはカートにきっちり収まっています。
それでも、事を荒立てたくなくて、私は「すみません」と小さく頭を下げ、急いでその場を離れました。
少し理不尽に感じましたが、混雑している中では仕方ないのかもしれない、と自分に言い聞かせました。

必要なものをすべてカートに入れ終え、私はレジへと向かいました。
どのレジも長蛇の列です。比較的、進みが早く見えた列に並んだのですが、すぐにその列がぴたりと動かなくなりました。

大声が響き渡るレジ前

何事かと前方を覗き込むと、私の耳に響き渡る大きな声が聞こえてきました。

「だから、この卵は今日の特売品でしょ!なんで値段が違うのよ!」

声の主は、先ほどの佐藤さんでした。
彼女はレジの最前列で、若い店員さんに激しく詰め寄っています。どうやら、商品の値段に納得がいかない様子。

「申し訳ございません、お客様。そちらの商品は本日、特売の対象外でして…」

店員さんが丁寧に説明しても、佐藤さんは一歩も引きません。「嘘つかないで!店長を呼んでちょうだい!」と、さらにヒートアップ。彼女の後ろには、うんざりした顔の客たちがずらりと並び、列は完全に止まってしまっています。

周りの迷惑を考えろ、と私に言った本人が、今、十数人もの買い物客の時間を平気で奪っている。
私は静かにため息をつき、隣の列に並び直しました。
自分の正義を振りかざして他人を責める人ほど、自分の行動がどれだけ周りに影響を与えているか、見えていないのかもしれない。
佐藤さんの怒声を聞き流しながら、私はそんなことを考えていました。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

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