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アートメイクなんて無駄、と親友に言われた私。その彼女がこっそり予約していた理由【短編小説】

アートメイクなんて無駄と親友に言われた私その彼女がこっそり予約していた理由短編小説

「莉奈は思い切りがいいよね。でも、私ならアートメイクなんて無駄なお金、絶対かけないな」

長年の悩みだった眉を、アートメイクで整えた私。
その報告をした時の、親友である美咲の言葉でした。
彼女は昔から、何事も冷静に判断する現実主義者。
私の決断が、彼女にはただの贅沢や無駄遣いに見えたのでしょう。
少しだけ心がチクリとしましたが、価値観の違いだと、私は自分に言い聞かせました。

否定した親友の意外な行動とは

それから数ヶ月後のことです。美咲と会う約束をしていた日の前日、彼女から「急用ができた」とキャンセルの連絡が。
そんなことが二度、三度と続きました。
いつもはマメな彼女らしくない行動に、私は少しだけ胸騒ぎを覚えていました。

先日、やっと久しぶりに会えた時のことです。
カフェで話していると、彼女が無意識に眉のあたりを何度も触っていることに気が付きました。
そして、その眉は、以前よりずっと輪郭がはっきりしているような…。

その時、テーブルに置かれた彼女のスマホの画面が光り、通知が見えました。

『明日のご予約:アートメイク(リタッチ)』

私は、彼女の完璧に整えられた眉と、スマホの画面を交互に見つめました。
そして、こらえきれずに、ふふっと笑ってしまいます。

「美咲。その『急用』って、もしかして眉毛のことだったりする?」

私の言葉に、彼女の顔はみるみるうちに真っ赤になりました。
観念したように、小さな声で白状します。

アートメイクをした理由とは

実は、彼女の結婚が決まったこと。
そして、婚約者である健太さんが、私の眉を見て「莉奈ちゃんみたいに眉が綺麗だと、ウェディングドレスがもっと似合うだろうね」と、何気なく言ったこと。

「だって、莉奈にあれだけ『無駄だ』なんて言った手前、今更『やりたい』なんて、恥ずかしくて相談できなかったんだもん…」

うつむく彼女が、なんだかとても愛おしくて、私たちは顔を見合わせて大笑いしてしまいました。

あれほど「無駄だ」と断言していた彼女を動かしたのは、理屈ではありませんでした。
愛する人に、一番綺麗な姿を見せたいという、純粋で可愛らしい恋心だったのです。
私の「無駄遣い」は、巡り巡って、親友の晴れの日のための、ささやかな道しるべになっていたのでした。

 

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【編集部注】

本記事は創作の小説であり、登場する人物や出来事はすべて架空のものです。アートメイクは医療行為にあたり、効果や満足度、副作用には個人差があります。施術を検討される際は、必ず専門の医療機関で十分なカウンセリングを受け、リスクや費用についてご確認ください。

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