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シャワー中の彼氏のスマホに一件の通知。LINEを開いたら地獄のような彼の裏の顔を知った日【短編小説】

シャワー中の彼氏のスマホに一件の通知LINEを開いたら地獄のような彼の裏の顔を知った日短編小説

「本当に、完璧な人だね」
友達にそう言われるたび、私は少し誇らしい気持ちになっていた。

彼――翔は、仕事もできて、気配りもできて、私のことを何より大切にしてくれる人だった。
デートでは必ず私の好きな店を予約してくれ、誕生日にはサプライズの花束。
SNSにだって、私との写真を堂々と載せてくれる。

これ以上、何を望む必要があるのだろう。
そう、本気で思っていた。

 

すべての始まりは、たった一つの通知だった

ある夜、翔がシャワーを浴びている間、テーブルの上で彼のスマホが震えた。
画面に浮かび上がったのは、見覚えのない女性の名前とメッセージ。

「昨日はありがとう♡ 次はどこに行く?」

心臓が一瞬で冷たくなる感覚。
私の手は勝手にスマホを掴んでいた。

ロックは解除されていた。
画面を開くと、そこには信じられない数のトーク履歴。
甘い言葉、ホテルの予約スクショ、送られた写真。
しかも、相手は一人じゃなかった。

 

完璧な彼氏の裏の顔

翔は、私と付き合いながら、複数の女性と関係を持っていた。
それぞれの相手に「一番大切な人」だと嘘をつき、同じような言葉を繰り返している。
私がもらったネックレスと同じものが、別の女性にも贈られていた。

画面をスクロールするたび、喉の奥が苦くなっていく。
あれほど愛されていると信じていた日々が、砂の城のように崩れていった。

 

私が選んだ答え

翔は何事もなかったようにシャワーから出てきて、笑顔で「何見てるの?」と言った。
その笑顔すら、もう作り物にしか見えなかった。

私は静かにスマホを置き、バッグを持って立ち上がった。
「ありがとう。もう、いいや」
たったそれだけ告げて、部屋を出た。

外の空気は冷たかったけれど、胸の奥にある熱だけは消えなかった。
あの夜を境に、私の世界から“完璧な彼氏”は消えた。
そして私は、二度と誰かの笑顔だけで真実を信じることはなくなった。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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