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【人生大逆転】旅先で500円で買った『ただの石ころ』。→鑑定結果はまさかの・・・【短編小説】

「何かを変えたい」と、私は勢いで世界一周の旅に出た。退職金と貯金をはたいて始めた旅は、期待とは裏腹に孤独と不安でいっぱいだった。
慣れない土地、言葉の壁、そして日に日に減っていく旅費。この旅も失敗に終わるのかもしれない。
そんな焦燥感と諦めの中で、私は立ち寄った南米の小さな村の市場を歩いていた。そこに並ぶのは、色鮮やかな民芸品と、埃をかぶったガラクタの山。その中で、私は一つの石ころに目を奪われた。
手のひらに乗るほどの、何の変哲もない、ただの黒い石。店のおじさんは、笑いながら「500円でいいよ」と言った。私は旅の記念に、その石をポケットに入れた。
世界一周を諦めかけた私が出会った“ガラクタ”
旅も終盤に差し掛かり、残りの旅費はわずか。このままでは帰国するしかない。そんな諦めとともに、私は最後の目的地であるヨーロッパへ向かった。
道中、ふとポケットに入っていたあの石ころを思い出す。旅の途中で買った、たった500円のガラクタ。
眺めてみても、ただの石。特に何も感じない。
しかし、なぜか捨てる気にはなれず、私はそれを手に握りしめていた。そんな私の様子を見ていたのか、隣に座っていた白髪の老婦人が話しかけてきた。
「その石は、どこで手に入れたの?」
老婦人は、その石を手に取ると、驚きで目を丸くした。
“ガラクタ”が私を億万長者に変えた瞬間
老婦人は、なんと有名な宝石鑑定士だった。彼女は興奮した様子で私に言った。
「これは石ころなんかじゃない。隕石だよ。それも、地球上ではほとんど見つからない、希少なパラサイト隕石だ」。
彼女の言葉は、にわかには信じられなかった。ただの石ころだと思っていたものが、とてつもない価値を持っていたなんて。
老婦人の紹介で専門家に見てもらうと、その価値は驚くことに億単位。500円で買った石ころが、私の人生を180度変えた瞬間だった。
帰国後、私はその石を売却し、億万長者になった。でも、一番の宝物は、お金では買えない、あの村で出会った石ころと、老婦人との出会い。
そして、諦めずに旅を続けた自分自身だった。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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