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「おばさん」と私を捨てた年下彼氏。→1年後、面接官になった私の質問に彼は凍りついた【短編小説】

おばさんと私を捨てた年下彼氏→1年後面接官になった私の質問に彼は凍りついた短編小説

 

「おばさん」

その言葉が、私の心を深くえぐった。3歳年下の彼氏・ハルキとの交際期間は2年。

最初は年上であることを喜んでくれたのに、別れを告げられた理由は、あまりにも身勝手なものだった。

「美咲は俺より落ち着きすぎてる。まるで、おばさんと話してるみたいでつまんないんだよね」。

彼の若々しく、少し冷たい目が忘れられない。彼の言葉に反論する気力もなく、ただただ泣き崩れることしかできなかった。

 

彼の言葉を力に変えた1年間

彼の言葉は、私の心を打ち砕くと同時に、強い闘志を燃え上がらせた。

彼を見返したい。そして、彼のくだらない価値観が間違っていることを証明したい。

私はそれまで以上に仕事に打ち込み始めた。これまでは無難にこなすだけだった企画書を、徹夜して何度も練り直し、プレゼン資料も徹底的に準備した。

スキルアップのために資格も取得し、休日も自己啓発に費やした。

周りからは「美咲さん、最近すごく変わったね」と言われるようになった。そして1年後、私は念願だった企画部のリーダーに抜擢された。

 

面接室での再会、そして私の決断

その日、私は新規プロジェクトのメンバー募集の最終面接官として、面接室にいた。候補者の名前を見たとき、私の心臓は一瞬止まりそうになった。

そこに書かれていたのは「田中ハルキ」。まさか、彼がこの会社を受けていたなんて。

面接室に入ってきたハルキは、1年前と変わらない自信に満ちた表情で座った。

当然、目の前の面接官が、彼が捨てた元カノだとは夢にも思っていない。

私は淡々と質問を始めた。彼の熱意ある自己PRを聞きながら、私の心は静かに燃えていた。

「田中さん、当社でのキャリアプランについてお聞かせください。…ちなみに、あなたは3年後の自分に、どのようなビジョンを持っていますか?」

私がそう尋ねると、彼は一瞬言葉に詰まった。

彼は「未来」という言葉を使い、私を捨てた。その彼が、今私の前で自分の「未来」を語ろうとしている。

面接後、私は同僚に「残念ながら、今回は不採用とさせてもらいます」と告げた。彼の軽薄な言葉は、私の人生を大きく変えたが、彼の人生を変えるかどうかは、私が決めることだった。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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