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彼の誕生日に合鍵で部屋へ。クローゼットにあったのは“私ではない誰か”へのプレゼントだった【短編小説】

彼の誕生日に合鍵で部屋へクローゼットにあったのは私ではない誰かへのプレゼントだった短編小説

彼の誕生日にサプライズ準備をしていたら…

彼の名前は拓也。
付き合って2年、初めて一緒に過ごす彼の誕生日でした。
「拓也の誕生日、最高の1日にしてあげたい!」その一心で、私は仕事を休むことに決めたのです。

当日の朝、私は少し奮発して予約したケーキと、悩みに悩んで選んだプレゼントの腕時計を手に、ウキウキした気分で彼の家へ向かいました。
合鍵でこっそり部屋に入り、彼が帰ってくる前にサプライズの準備をしようと思ったのです。

「まだ帰ってきてないみたい。よし、飾り付けをしちゃおう!」

部屋を見渡すと、クローゼットが少しだけ開いているのが目に入りました。
普段はきっちり閉まっているのに珍しいな、と思いながら近づくと、その隙間から見慣れない有名ブランドの紙袋が2つ、並んで置かれているのが見えました。

謎の2つのプレゼント

「え、なんだろう…?」

一つは、私が好きなブランドの袋。
そしてもう一つは、私にはあまり馴染みのない、けれど女性に人気のアクセサリーブランドの袋でした。
胸騒ぎがしながらも、そっと中を覗いてしまいました。

そこには、可愛らしくラッピングされた小さな箱がそれぞれ入っていました。
明らかに、誰かへのプレゼントです。
でも、私は今日、拓也に腕時計を渡すはず。
これは、一体誰に…?

頭が真っ白になりました。
冷静になろうとすればするほど、パズルのピースがはまっていくように、全ての状況を理解してしまいました。

2つのプレゼントの真実

この2つのプレゼントは、おそらく拓也が用意したもの。
一つは、誕生日を祝ってくれた私へのお返し。
そして、もう一つは…。きっと、私以外のもう一人の「彼女」へのプレゼントなのでしょう。
今日、彼が休みを取ったのは、私と会うためだけじゃなかったのです。

涙が溢れそうになるのを、ぐっとこらえました。
私が用意したケーキとプレゼントを静かにテーブルの上に置くと、その隣に、そっと合鍵を添えました。

彼に何も告げず、私は静かに部屋を出ました。
ドアを閉めた瞬間、スマホが震えます。拓也からでした。

「ごめん、美咲!急な仕事で少し遅れる!もうすぐ家に着くから待ってて!」

そのメッセージを読んだ後、私は静かに彼のアカウントをブロックし、通知が二度と鳴らないように設定したのでした。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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