MENU

Follow Us

Share

寝る前に読まないで|深夜2時、彼のスマホに届いた“無音の動画”──そこに映っていた“部屋の異変” [短編小説]

寝る前に読まないで|深夜2時彼のスマホに届いた無音の動画──そこに映っていた部屋の異変

「私の部屋、何かおかしくない?」

ルームツアーを撮ってもらうために呼んだ彼から、そんな言葉が返ってきたのは、私の部屋に遊びに来た翌日のことでした。

そしてその夜、“あの動画”が届くまでは、私はただの冗談だと思っていたのです。

なにげない日常のはずだった

一人暮らしを始めて半年。記念に、彼に部屋のルームツアー動画を撮ってもらいました。

カメラ好きの彼は、「編集して送るから、楽しみにしてて」と笑って帰っていきました。

その日の夜、彼からLINEが届きました。

 

「なんか変な感じしない? 動画の最後、見てみて」

 

言われるまま再生すると、最後の数秒で、カメラが私のベッドをゆっくりと映した瞬間、ベッド下の影がふわりと揺れたのです。

 

「え? 今の、何?」

見間違いかと思い、再度見直しました。しかし、同じところで、確かに“誰かが覗いているような目”が見えたのです。

 

届いた“無音の動画”

そのまま眠る気になれず、夜中の2時を過ぎた頃。
彼から再びLINEが届きました。

 

「音声切って見て。さっき送ったの、カメラの“録画データ”も送る」

 

添付された動画は、彼が私の部屋でルームツアーを撮っていた時の“生データ”。

再生すると、ノイズ交じりの映像に、私の部屋が無音で映し出されていきます。

数分後、画面が突然ブレ、ピントがベッド下へ。

そこには、白い手が這うように伸びてきていたのです。

私は悲鳴を上げてスマホを放り投げました。

 

見たはずのない“最後のカット”

その夜は眠れず、朝方にもう一度動画を確認しました。
すると、最後の数秒に、カメラが勝手に反転し、“彼”の顔が映っていたのです。

しかし――その“彼”の後ろに、私が寝ていたはずのベッドが映っていました。

 

「おかしい、彼は帰ったはず」

 

あの瞬間、私の部屋には、彼以外の“誰か”がいたのでしょうか。
それとも、彼が帰ったと思っていたのは私の勘違いだったのか。

 

それ以来、私はその部屋を引き払い、引っ越しました。
けれど、たまに夜中の2時になると、また同じ動画が送られてくる気がするのです。

 

あとがき

何も写っていないと思った動画に潜む“異変”。
それが“偶然”なのか、それとも“警告”なのか。
あなたのスマホにも、届いていないですか?
“無音の動画”が──。

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

おすすめ記事

Ranking