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「生活費は渡さない」と経済DVをする夫。パートを掛け持ちして自立したら、夫が媚び始めた理由【短編小説】

突然始まった経済的な締め付け
結婚して3年目、夫の態度は突然冷たいものへと変わりました。
「誰のおかげで飯が食えてると思ってるんだ。これからは生活費は渡さない。必要な時だけレシートを持って俺に申請しろ」と言い放ったのです。
それまでの穏やかな生活は一変しました。スーパーで特売の卵を買うことさえ、夫の顔色を伺わなければなりません。
「昨日の夕飯、肉が少なかったな」「無駄遣いしてるんじゃないか?」といちいちチェックされ、わずか数百円の出費でも説教される日々。
私は悔しさと情けなさで、夜な夜な枕を濡らしました。夫は私が専業主婦でいることをいいことに、経済力という武器で私を完全に支配しようとしていたのです。
「もう、言いなりにはならない」
私は夫に内緒で行動を開始しました。夫が仕事に行っている間、早朝の品出し、昼の飲食店、夜のデータ入力と、必死にパートを掛け持ちしました。
体は悲鳴を上げていましたが、自分のお金が増えていく通帳だけが心の支えでした。
夫には「近所の掃除の手伝い」と誤魔化し続け、半年かけて、ようやく一人でも暮らしていけるだけの貯金と自信を手に入れました。
夫が急にすり寄ってきた呆れた理由
そんなある日、夫の態度が急変しました。
仕事から帰った夫が、なんとケーキを買ってきたのです。
「いつも苦労かけてごめんな。これからは家事も手伝うよ」と、気味の悪いほどの猫なで声。あのモラハラ夫が、私の肩を揉もうとさえします。
背筋が凍るような違和感を感じていると、夫がおずおずと切り出しました。
「実はさ、会社の業績が悪くて……ボーナスがカットされたんだ。来月から基本給も下がるらしい」
夫が媚び始めた理由は明白でした。私の「へそくり」を当てにしているのです。私がこっそり働いていることに薄々気づき、自分の減収を私の稼ぎで補填しようという魂胆が見え見えでした。
「夫婦なんだから、助け合うべきだよな?」とすり寄ってくる夫を見て、私の中で何かが完全に冷え切りました。
私は溜め込んだ通帳と、記入済みの離婚届をテーブルに叩きつけました。
「私、もう十分自立できるから、あなたの『管理』は必要ないわ」
夫の顔がみるみる青ざめていくのがわかりました。「俺の金だ」と威張っていた時の威厳はどこへやら、狼狽する夫の姿は滑稽ですらありました。
私は荷物をまとめ、唖然とする夫を置いて家を出ました。夜風がこれほど心地よく感じたことはありません。これからは、私が稼いだお金は、私自身の幸せのために使っていきます。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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