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部下「今日はリモートにします」事前申請なしの勝手すぎるLINE。続く理由に思わず困惑した【短編小説】

始業10分前、ルール違反の連絡
週明けの月曜日、始業10分前。一番バタバタする時間に、私のスマートフォンが短く震えました。LINEの通知です。相手は、私のチームの部下でした。
「おはようございます。すみません、今日はリモートにします」
たったそれだけの文面。私は思わず眉をひそめました。
私たちの部署では、リモートワークをする場合、前日までに申請するのがルールです。もちろん、急な体調不良や家庭の事情は別ですが、それにしても「します」という一方的な決定事項のような言い方。
(え、事前申請なしで、いきなり?)
正直、少しカチンときました。今日の午前中には、彼にも参加してもらう対面のミーティングが予定されています。勝手だな、と思いつつも、まずは事情を聞かなければなりません。
「おはようございます。何かありましたか? 体調不良ですか?」
少しだけ、トゲのある文面になってしまったかもしれません。すぐに既読がつき、返信がきます。
「いえ、体調は万全です!」
元気な絵文字までついています。私はますます混乱しました。体調不良でもないのに、なぜ急に?
「では、どうしてですか? 今日はミーティングの予定も入っていますが」
そう送ると、数秒の間を置いて、予想だにしなかった言葉が返ってきたのです。
思わず二度見した、驚きの理由
「それが、今朝のテレビの占いで『今日は家から一歩でも出ると、人生最悪の日になる』と言われてしまって…。どうしても家を出るわけにはいかないんです」
私は、自分の目を疑いました。
占い?
冗談かと思い、何度もメッセージを読み返しましたが、彼が冗談を言うタイプには思えません。彼は普段、とても真面目で、むしろ慎重すぎるくらいに仕事を進める部下です。
その彼が、業務の予定より「占い」を優先する。
「毎朝見ている占いで、すごく当たるんです。怖くて…」と続きました。
私はどう返すべきか、本気で困惑しました。怒るべきなのか、それとも真剣に心配すべきなのか。これが社会人として通用する理由だと思っているのでしょうか。
コーヒーを一口飲んで頭を冷やし、私は深くため息をつきました。
結局、「…分かりました。リモートワークは許可しますが、ミーティングの資料は急ぎで共有してください。それと、本日の業務進捗は、必ず17時までに詳細を報告してください」とだけ返信しました。
その日、彼はリモートで普段通り、いえ、普段以上にきっちりと仕事をこなし、完璧な報告書を提出してきました。
もしかして、占いを信じて家から出なかったおかげで、仕事に集中できたのでしょうか…?
いや、でも、明日、私は彼にどんな顔をして「おはよう」と言えばいいのでしょう。上司としての新しい悩みが生まれた瞬間でした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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