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「あの嫁、常識がない」と親戚に言いふらす義母が、突然嫁に優しくなったワケ【短編小説】

義母の口癖は「常識がない」
夫と結婚して以来、私にとって一番の悩みは義母との関係でした。
義母は昔ながらの価値観をとても大切にする人で、私のやる事なす事が気に入らなかったようです。
「今どきの若い人は常識がなくて」「本当に、誰に何を教わってきたのかしら」
それが義母の口癖でした。特に、年に数回ある親戚の集まりが苦痛でした。
義母はここぞとばかりに、他の親戚たちに私の「常識のない」エピソードを大げさに言いふらすのです。
「この前の法事、あのお嫁さんたら黒いストッキングじゃなくて、肌色のものを履いてこようとしたのよ。私が慌てて注意したからよかったけど、あの嫁、常識がないにもほどがあるわ」
そんな事実は一切ないのに、親戚たちは義母の話を鵜呑みにし、私はすっかり「常識のない嫁」として有名になっていました。
緊張の挨拶と助け舟
そんな日々が続いていたある日のこと。
親戚一同が集まる、特に重要な法事での出来事でした。
その日は、義母が親戚を代表して挨拶をすることになっていました。いつもは私を「常識がない」と責め立てる義母ですが、大勢の前で話すのは苦手なようで、朝からとても緊張しているのが伝わってきます。
そして、ついに義母の挨拶の番が回ってきました。義母は緊張した面持ちで立ち上がりましたが、言葉が出てきません。
「えー…、本日は…」
そう言ったきり、頭が真っ白になってしまったようでした。
会場は静まりかえり、親戚たちが「どうしたのかしら」「準備してこなかったの?」とヒソヒソと話し始めるのが聞こえます。
その時、私はすっと立ち上がりました。そして、義母が用意していたであろう挨拶の言葉を、私が代わりに続けたのです。
「本日は、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます…」
実は、緊張しいの義母を心配した夫から「もし母さんが詰まったら、頼む」と、事前にこっそり挨拶文のメモを渡されていたのです。
私が滞りなく挨拶を終えると、親戚たちは「しっかりしたお嫁さんね」と感心した様子でした。義母は顔を真っ赤にしていましたが、その場が収まったことにホッとしたようでした。
その日以来、義母はピタリと私の悪口を言わなくなりました。それどころか、「このお菓子、おいしいわよ」「あなたも食べなさい」と、戸惑うほど優しくなったのです。
きっと、義母も「常識がない」と他人に評価される怖さを身をもって知り、何か思うところがあったのでしょう。
まだ手放しで仲良しとは言えませんが、静かな日々が訪れたことに感謝しています。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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