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「代わりに買ってきてもらえませんか?笑」非常識な後輩からのお願いに隠された本当の意味とは【短編小説】

常識知らずの生意気な後輩からのお願い
木曜の夜、22時。
残業を終えてようやく家に帰りついた瞬間、LINEの通知が鳴った。
画面には、職場の後輩・菜月の名前。
菜月:先輩〜!ちょっとお願いがあるんですけど!
(またか…)
この時間の「お願い」は、ろくな内容じゃない。
嫌な予感を押し殺して返信する。
俺:なに?
菜月:あした彼氏の誕生日で、ケーキ屋さん予約し忘れてて
代わりに買ってきてもらえませんか?笑
は?
思わずスマホを二度見する。
俺は上司でも家族でもない。ただの同じ部署の先輩だ。
俺:なんで俺が?
菜月:だって先輩、会社から帰る方向一緒じゃないですか
(方向“が”一緒って理由で頼むな…)
呆れながらも、断る言葉を探す。
でも、既読がついた途端に追撃メッセージ。
菜月:てか、先輩って優しいから頼みやすいんですよね♡
俺:誰が優しいって?
菜月:あはは、そういうとこです笑
画面越しに軽くいなされる。
まるで子供みたいな文面。なのに、なぜか苛立ちよりも、心の奥が少しだけ揺れた。
翌日。
結局ケーキを買って、彼女のデスクに置いた。
礼の一言くらいあるだろうと思ったが、昼になっても何もない。
(ほんとに非常識だな…)
帰り際、またスマホが震えた。
菜月:ケーキ、彼氏と一緒に食べました!ありがとう
めっちゃ喜んでくれて、写真送りまーす!
意外な展開に…
送られてきた写真には、満面の笑みの菜月と、見知らぬ男。
なのに、視線は彼氏ではなく、カメラの奥の“誰か”を見ているように見えた。
俺:そっか、よかったな。
菜月:うん でも実はね、お願いもう一つあるんです。
俺:まだあるのかよ。
菜月:明日、彼と別れるかもしれないから、話聞いてくれませんか?
文章の最後に「笑」はなかった。
一瞬で空気が変わったのがわかる。
深夜、カフェの外で待つ菜月の横顔は、昼の無邪気さとは違っていた。
紙コップを両手で包みながら、小さく呟く。
「先輩、ほんとは最初から……頼りたかったの、ケーキじゃなくて、あなたなんですよ」
夜風が頬をなでた。
それが冗談なのか、本音なのか、分からないまま。
俺は、黙って彼女の隣に座った。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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