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「私の人生は間違えたのかな」SNSで見た元彼の豊かな生活。それでも今が幸せだと思えるワケ【短編小説】

私の人生は間違えたのかなSNSで見た元彼の豊かな生活それでも今が幸せだと思えるワケ短編小説

もし、あの時プロポーズを受けていたら

息子の健やかな寝顔をのぞき込み、そっと寝室のドアを閉める。
リビングに戻ると、夫が「おつかれさま。コーヒー淹れたよ」とマグカップを差し出してくれました。
ごく普通で、穏やかな夜。

こんな何気ない瞬間に、ふと、あり得たかもしれないもう一つの人生を想像してしまうことがあります。
もし、あの時あの人と結婚していたら…と。

その度に「私の人生は間違えたのかな…」と考えてしまいます。

私には大学時代から付き合っていた、正人さんという人がいました。
彼は大手商社に勤めるエリートで、背が高く、誰にでも優しい、まさに絵に描いたような人。

友人たちからは「絶対に離しちゃダメだよ」なんて言われていました。
順調な交際の末に、夜景の綺麗なレストランでプロポーズもされました。

でも、私はその手を取ることができませんでした。
彼と別れ、今の夫である直樹と出会い、結婚したのです。
時々、SNSで正人さんの名前を検索してしまうことがあります。

そこには、綺麗な奥さんと海外旅行を楽しむ、きらびやかな彼の姿。
タワーマンションのリビングで開かれるホームパーティーの写真を見るたびに、胸が少しだけチクリと痛みます。

もしあの時、彼のプロポーズを受け入れていれば、私もあんな風に華やかな生活を送っていたのかもしれない、と。

「君のため」という言葉に隠された息苦しさ

でも、そんな想像はすぐに現実の温かさに打ち消されます。
正人さんは完璧な人でした。
ただ、その完璧さ故に、私にも常に完璧を求めていました。

「君のためだよ」と言いながら、私の服装やメイク、言葉遣いをやんわりと正そうとするのです。彼の隣にいる私は、まるで彼の価値を引き立てるためのアクセサリーのようでした。
息が詰まるような毎日に、私は「ありのままの自分」を失っていくのを感じていました。

今の夫は、私が寝癖のついた髪でジャージ姿のまま朝食を食べていても、「おはよう」と笑ってくれます。
仕事で失敗して落ち込んでいれば、「大丈夫だよ」と黙って隣に座っていてくれます。

彼がくれるのは、着飾った私への称賛ではなく、ありのままの私への深い愛情です。

もし、あの時正人さんと結婚していたら、きっと誰もが羨むような生活が手に入ったでしょう。
でも、夫がくれる「ありがとう」の一言や、息子がくれる満面の笑みは、そこにはなかったはずです。

私は、確かにあの時の選択を後悔することがあります。
けれどそれは、今の幸せを噛みしめるための、ほんの少しのスパイスみたいなものなのかもしれません。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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