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友人に「ブランド物しか着ない」と自慢された私。数年後、その人がフリマで必死に売っていた【短編小説】

ブランド物が好きな友人
私の名前は美咲(みさき)です。
大学時代の友人、沙耶(さや)は、いつもキラキラしていました。
彼女の口癖は、「私、ブランド物しか着ない主義だから」。
事実、彼女が身につけているものは、誰もが知る有名ブランドのロゴが輝くものばかりでした。
ある日のカフェでのこと。
「見て、このバッグ。今月の新作なの」
沙耶は得意げに、小さなハンドバッグを私の前に置きました。
「素敵だね。沙耶はいつもお洒落だよね」
私がそう言うと、彼女は満足そうに微笑みます。
「でしょう?一流の物を身につけると、自分まで格上げされた気分になるの。もう安い服とか、絶対に着れないな」
その言葉に、私は少しだけ胸がチクリとしましたが、何も言えませんでした。
見覚えある横顔の正体とは
それから数年が経ち、沙耶とは少しずつ疎遠になっていました。
そんなある週末、私は近所で開かれていたフリーマーケットに、ふらりと立ち寄ってみました。
古着や手作りの雑貨が並ぶ中、人だかりができている一角に、見覚えのある横顔を見つけます。
そこにいたのは、紛れもなく沙耶でした。
かつての華やかな雰囲気は影を潜め、少し疲れた表情で、必死にお客さんに声をかけています。
そして、彼女の前に広げられたシートの上には、信じられない光景が広がっていました。
山のように積まれていたのは、かつて彼女が自慢していた、数々のブランド品のバッグや洋服だったのです。
「これも本物なんです!すごくお安くしてますから、見ていってください!」
お客さんにしきりに頭を下げ、必死に商品を売ろうとする沙耶。
その姿は、以前の彼女とはまるで別人でした。
私は、声をかけることができませんでした。
彼女が「価値がない」と見下していたであろう場所で、あれほど誇らしげに語っていた「一流品」を必死に手放そうとしている。
本当の価値とは、一体何なのだろう。
変わり果てた彼女の背中を見つめながら、私はそんなことを、ただぼんやりと考えていました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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