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同僚に「未婚は肩身が狭いでしょ?」と見下された私。→数年後、その同僚が婚約破棄されていた【短編小説】

同僚に未婚は肩身が狭いでしょと笑われた私→数年後その同僚が婚約破棄されていた短編小説

結婚マウントを取る同僚

私の名前は由美。
数年前、私は職場で、同僚の聡子さんから、憐れむような目で見られていました。

当時、長年付き合った彼氏との婚約が決まったばかりの彼女。
その幸せの絶頂にいた彼女にとって、独身で、仕事に打ち込む私は、「可哀想な人」に見えたのでしょう。

ある日の昼休み、彼女は、見せつけるように婚約指輪を触りながら、私に言いました。

『由美さんは、仕事が恋人って感じだもんね。でも、この歳で未婚だと、周りの目もあって、だんだん肩身が狭いでしょ?』

その言葉には、心配を装った、明らかな優越感が滲んでいました。
私は、腹立たしい気持ちを抑え、「私は、今の人生がとても楽しいですよ」と笑顔で返したのです。

それから数年。
彼女は、結婚準備の順調さを、ことあるごとに私にアピールしてきました。
私はそれを聞き流し、自分の仕事と、自分の人生を、ただ大切に着実に歩んでいました。

同僚のまさかの展開

そして、先日。
月曜日の朝、聡子さんは会社を休んでいました。
同じ部署の恵子さんが、心配そうな顔で、そっと私に耳打ちします。

「聡子さん、婚約破棄されたんだって…」

聞けば、彼女の婚約者には、他に女性がいたというのです。
結婚式の、わずか一ヶ月前の出来事でした。
彼女が、あれほど自慢し、自分の価値そのものであるかのように語っていた「幸せ」は、砂上の楼閣のように、あっけなく崩れ去ってしまったのです。

彼女の不幸を、喜ぶ気持ちは、もちろんありませんでした。
ただ、胸の奥に、静かで皮肉な感情が広がっていくのを感じました。

「肩身が狭い」のは、果たして、どちらだったのでしょうか。

他人の価値観に振り回されず、自分の足で、自分の人生をしっかりと歩むこと。
それこそが、何にも代えがたい、本当の幸せなのだと、私は信じています。
聡子さんが、いつか、自分自身の力で立ち上がり、本当の意味での幸せを見つけられることを、今はただ、静かに祈るばかりです。

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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