GLAM Editorial

2022.07.22(Fri)

大人の吹き出物をからだの内側から綺麗に!皮膚科医が解説

 

思春期の時期は、ニキビなどの吹き出物ができやすいとよくいわれますが、大人になってからも吹き出物に悩んでいる女性は結構多いもの。

 

そして、大人の吹き出物は長引いて治りにくいことが多く、それがストレスになってもっと悪化してしまうことも……。

 

今回は大人の吹き出物の原因とパーツ別の対策について解説します。

 

1.30代になって増えた……。大人女子の吹き出物の原因は?

思春期の吹き出物は、第二次性徴期に伴って皮脂の分泌が急激に活発になることが原因といわれています。

 

それに比べて30代以降の大人女子の吹き出物には、さまざまな原因が複雑に関わっているのです。

 

原因のひとつとして、肌の代謝サイクル(ターンオーバー、古い肌が垢として剥がれて新しい肌に生え変わること)が乱れて、古い角質が肌の表面に残ることで毛穴がつまりやすくなることが挙げられます。

 

ターンオーバーの乱れには、睡眠不足、ストレス、喫煙、食生活やホルモンバランスの乱れなどが関わっています。

 

さらに、そのほかの原因として、肌の乾燥が関与していることも。

 

年齢とともに肌は乾燥しやすくなり、肌が乾燥すると肌のバリア機能が低下して感染が起こりやすくなります。また、肌は乾燥から自らを守ろうと皮脂を分泌するようになります。

 

それにより、肌表面の皮脂は多いけれども実は乾燥肌という「インナードライ」の状態になり、吹き出物ができやすくなるのです。

 

インナードライには、間違ったスキンケア(保湿不足など)や、冷暖房の中に長時間いる環境などが関わっています。

 

 

2.パーツ別! 吹き出物の原因と対処法

あなたは、顔のどこのパーツに吹き出物ができますか? パーツ別の吹き出物の原因と対処法についてご紹介します。

 

2-1.おでこ

おでこは汗や皮脂が残りやすいところ。汗や皮脂が付着した状態が続くと、吹き出物ができやすくなります。とくに、帽子をよくかぶる人、前髪のある人は要注意。

 

汗はこまめにふき取るようにしましょう。さらに、通気性の良い帽子にする、自宅にいるときは前髪をあげて肌に触れないようにするなどの対策がおすすめです。

 

また、おでこは位置的にシャンプー・リンスが十分洗い流せていなかったり、洗顔が十分できていなかったりする場合もあります。

 

入浴時にはおでこに洗い残しがないようにしっかりケアしましょう。そして、洗顔後の保湿ケアも忘れずに。

 

2-2.鼻・眉間

鼻や眉間は毛穴が多く、皮脂の分泌の影響を受けやすい部位です。毛穴が広がりがちな人は汚れやすい部位でもあります。洗顔のときに小鼻や眉間の皮脂をしっかり洗い落としましょう。

 

その際に、ごしごしこするのは肌のバリア低下を招いてしまい逆効果。泡立てた洗顔料でやさしく洗いましょう。

 

また皮脂の過剰分泌を防ぐために、生活習慣(食事、睡眠)を整えること、ストレスをこまめに解消することも心がけましょう。

 

2-3.あご・口まわり

大人の吹き出物は、あご・口まわりにできやすいといわれています。皮脂の分泌が多いのに乾燥肌という、いわゆるインナードライの人に多いようです。

 

最近ではマスク着用の影響で、あご・口まわりの吹き出物に悩む大人女子が増えています。

 

まずは乾燥対策として、洗顔後にしっかり保湿をしましょう。また、マスクの擦れが気になる場合は、立体型マスクにする、低刺激のマスクにするなど、マスク選びの工夫をおすすめします。

 

マスクを外した直後は、高温多湿の状態から急激な乾燥が起こりやすいタイミングです。帰宅してマスクを外したら保湿を忘れずに行いましょう。

 

2-4.頬

頬の吹き出物もあご・口まわりと同じく、マスクの擦れで起こりやすいもの。マスクと頬の接触部位をできるだけ少なくできる立体型マスクがおすすめです。

 

また、頬は紫外線が当たりやすく、日焼けによって吹き出物の跡が残りやすい部位でもあります。日焼け止めを塗る、帽子をかぶるなど、紫外線対策をしっかりするようにしましょう。

 

3.漢方薬で内側から吹き出物をケア

「吹き出物の改善のために時間や労力をかけられない」「すぐに生活習慣を変えるのは難しいかも……」という方におすすめなのが、皮膚科の治療でも使われている漢方薬です。

 

大人になってからの吹き出物に悩まされている場合、その原因は体質であることが多いといわれます。漢方薬はこの体質を「良い状態」に導くために、心身全体に作用します。

 

吹き出物には、抗炎症作用や解毒作用があり、肌の新陳代謝促進や血流改善、水分の循環作用のある漢方薬が選ばれます。

 

血流がよくなると肌まで栄養が届き、水分の循環が改善されると、吹き出物の原因となる毒素がからだの外に排出されます。

 

血流や水分の循環がよくなることで、疲れやストレスに負けないからだづくりも目指せるのです。

 

もちろん、バランスのとれた食事や毎日の運動をこなせるのであれば、それに越したことはありません。しかし、たとえ理想通りにできなくても、漢方薬を飲むことで望ましい体質を目指すことはできるでしょう。

 

〈吹き出物ができやすい大人女子におすすめの漢方薬〉

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)体力が中程度で発赤や化膿する皮膚疾患がある方に効果的な漢方薬です。 

炎症がありじゅくじゅくした皮膚疾患がある場合に、そこに停滞している「水」「熱」を発散させて皮膚を正常に戻していく作用があります。

 

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)体力が中程度で肌の色が浅黒く、手足の脂汗をかきやすい体質で、にきびや鼻炎の起こりやすい方に効果的な漢方薬です。

荊芥連翹湯はからだに停滞した「水」の巡りを良くして、炎症を起こす「熱」を冷やす作用があります。

 

ただ注意しなければならないのは、選んだ漢方薬が自分の今の状態や体質に合っているかどうかという点です。もし合っていなければ、目指している健康状態を手に入れられないばかりか、副作用が起こることもあります。

 

自分に合う漢方薬を手軽に見つけるための専門サービスとして、AIを利用した「あんしん漢方」が話題になっています。このようなサービスを活用して、漢方に精通した医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

 

あんしん漢方(オンラインAI漢方

 

4.正しくケアして吹き出物知らずの肌に

今回は、大人女子の吹き出物の原因と対策を解説しました。

 

大人女子の吹き出物は、肌のターンオーバーの乱れやインナードライの肌質が関わっていることがあります。

 

生活習慣を見直すことやスキンケアを見直すこと、さらに内側からの改善策として、専門家に相談のうえ漢方薬の力を借りることもおすすめです。

<この記事を書いた人>

皮膚科医 金城 里美
医師/薬剤師
東京大学薬学部卒業後、医師を目指して、東京医科歯科大学医学部に入学。
体、精神とも関わって多様に現れる皮膚の病態に興味を持ち、皮膚科医の道を選ぶ。卒業後、大学病院、総合病院、クリニックでの皮膚科勤務を経て、一般皮膚科から美容皮膚科まで皮膚科領域の診療を幅広く行う。現在、総合病院の皮膚科常勤医として勤務。皮膚がより良くなることで、その人の毎日がより明るくなることを目指して日々診療を行う。

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