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「先輩、このLINE上司に見せますよ?」新人の脅し文句。だが晒されたのは彼の勤務態度だった【短編小説】

仕事をしない新人とのLINEバトル
ため息をつきながらスマホの画面を見つめる日々。それが私の最近の日常でした。 私の部署に配属された一人の新人男性。
彼はとにかく仕事を覚える気がなく、勤務時間中でもスマホをいじってばかり。教育係を任された私は、何度も優しく注意してきましたが、暖簾に腕押し状態でした。
ある忙しい日の午後、彼に頼んでいた資料作成が全く進んでいないことが発覚しました。彼は「トイレに行っています」と言って席を立ってから、すでに30分以上戻ってきていません。
しびれを切らした私は、業務連絡としてLINEを送りました。これがまさか、あんな事態を招くとは思いもしませんでした。
「頼んでいた資料、今日中に終わりますか? まだ進んでいないようですが」
「今トイレなんで。急かさないでもらっていいですか?」
「30分以上経っています。戻って作業してください。」
「うわ、細かいですねw 先輩、このLINE上司に見せますよ? これパワハラですよね」
画面を見て、血の気が引きました。「上司に見せる」という言葉に、真面目に働いている自分がなぜこんな目に、と理不尽な恐怖を感じたのです。
上司の一言で形勢逆転
翌日、私は上司に呼び出されました。部屋に入ると、そこにはニヤニヤと勝ち誇った顔をした新人が座っていました。ああ、本当に見せたんだ。私は覚悟を決めました。
上司は静かに口を開きました。
「彼からLINEを見せてもらったよ」
新人が「ね? ひどいですよね」と相槌を打ちます。しかし、上司の視線は新人へ向けられました。
「君、トイレにこもっていた30分の間、LINEの返信は即レスだったんだね。それに、この時間は勤務時間中だ。業務を放置してサボっていた証拠を、わざわざ自分で提出してくるとはいい度胸だ」
新人の顔から笑みが消え、みるみる青ざめていきました。彼は私を陥れるつもりで、自分の勤務怠慢の決定的な証拠を上司に突きつけてしまったのです。
「先輩が怖いから避難していた」という言い訳も、日頃の勤務態度を知っている上司には通用しませんでした。
その後、彼は厳重注意を受け、ほどなくして別の部署へ異動となりました。 「上司に見せますよ」という言葉は、確かに脅威でした。
でもそれは、彼自身にとっての終わりの始まりだったのです。 静かになったオフィスで、私はようやく安心して仕事に取り組めるようになりました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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