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「そんなに俺のこと好き?」自信満々の勘違い男。帰り際のある行動を見て、会うのをやめた…【短編小説】

止まらない自慢話
友人の紹介で出会った彼は、確かにルックスは悪くありませんでした。清潔感もあるし、最初は「いい人かも」と期待したんです。
でも、レストランに入って乾杯した直後から、その期待は粉々に砕け散りました。
「俺さ、先月もヘッドハンティングされちゃって」
「前の彼女が俺のこと忘れられないらしくて大変なんだよ」
彼の口から出るのは、聞いてもいない自慢話のオンパレード。私は社会人としてのマナーを守り、「へえ、すごいですね」「大変なんですね」と、当たり障りのない相槌を繰り返していました。
しかし、それが大きな間違いだったのです。 彼は私のその態度を、完全に「自分に惚れているサイン」だと解釈したようでした。
「そんなに俺のこと好き? 照れなくていいよ、顔に出てるから」と、自信満々に赤ワインを揺らす彼。
そのポジティブすぎる勘違いぶりに呆れ果て、私は心の中で(早く帰りたい……)と呪文のように唱え続けました。
ショーウィンドウ前での珍行動
そして、ようやく訪れた帰り際のことです。 駅への道を歩いていると、彼がふと、デパートの大きなショーウィンドウの前で足を止めました。
私に何か言い忘れたことでもあったのかと思い立ち止まると、彼は私を見るのではなく、ガラスに映った自分を凝視し始めたのです。 前髪を指先で入念に整え、キメ顔を作り、あろうことかガラスの中の自分に向かってニヒルな笑みを浮かべました。
その間、隣にいる私の存在なんて完全に無視。まるで世界に自分一人しかいないかのような陶酔ぶりでした。 その瞬間、私の中で何かが完全に冷め切りました。
「あ、この人は私が好きなんじゃなくて、私という『観客』の前でカッコつけている自分が好きなだけなんだ」と悟ってしまったのです。
満足した彼が「待たせたな、行くか」と振り返った時には、もう私の心はシャッターを下ろしていました。
「いえ、ここでお別れで大丈夫です」と早口で告げ、改札を抜けた瞬間に彼をブロック。自信過剰な勘違い男とのデートは、まさに時間の無駄でした。
鏡の中の自分とだけ付き合っていればいいのに、と心底思った夜でした。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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