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「金がない?家計簿を毎日つけろよ」と命令する夫。記録する時に気づいたお金が貯まらないワケ【短編小説】

夫の「命令」で始まった、憂鬱な家計簿
私にはある悩みがありました、貯金が貯まらないことです。
生活ができないほどではないのですが、夫との老後などを考えると現在の収入だと不安があり、思い切って夫に相談してみました。
「あなた、うちって貯金できるほどお金がないじゃない?だからさ…」と、相談をしようとしたら。
「金がない?家計簿を毎日つけろよ!お前が家計を管理すればどうとでもなるだろ!」
夫は私にそう言い放ちました。「金がない」その原因は私にあるかのような言い方です。
「毎日なんて…」
「いいからやれ。命令だ」
私はため息をぐっとこらえ、その日から家計簿をつけることになりました。
スーパーのレシート、コンビニのレシート、ドラッグストアのレシート。最初は慣れない作業に戸惑いました。1円単位で合わせなければ、と気負っていたこともあり、私にとって家計簿は苦痛な作業でした。
でも、毎日記録を続けているうちに、少しずつ流れが見えてきました。
「今週は野菜が高いから、来週はもやし中心にしよう」
「日用品の特売は月末だった」
そんな風に、私なりに節約を意識するようになっていきました。食費も雑費も、我ながらうまくやりくりしているつもりでした。
それなのに、です。月末に集計してみると、やっぱりお金が残らないのです。「金がない」夫の言葉通りです。なぜ?
私は家計簿の全ページを最初から見直しました。食費、光熱費、家賃…どれも大きな問題はなさそうです。節約だって頑張っています。
お金が貯まらない衝撃の理由
その時、ある項目が目に飛び込んできました。
「夫 交際費(追加)」
「夫 趣味(ゴルフ)」
「夫 こづかい(前借り分)」
夫は毎月のおこづかいとは別に、「今週は飲み会が続いて」「接待ゴルフの道具が」「後輩に奢らないといけない」と、何かと理由をつけて追加でお金を持っていくのです。
私は言われるがままに渡していましたが、家計簿に「見える化」されたその金額を見て、血の気が引きました。私が切り詰めている食費の、実に3倍以上の金額が、夫の「必要経費」として消えていたのです。
「金がない?家計簿をつけろよ」
夫の言葉が頭の中で繰り返されます。
お金が貯まらないワケ。それは、私ではなく、家計簿をつけるように命令した夫自身にあったのです。私は静かに家計簿を閉じ、赤ペンで丸をつけたそのページを、夫が帰宅したらどう見せるか、じっと考え始めました。
本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。
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