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「バラしたのは、俺だよ」裏アカがバレた日、私の安易な考えが職場環境を地獄に変えた【短編小説】

バラしたのは俺だよ裏アカがバレた日私の安易な考えが職場環境を地獄に変えた短編小説

会社の空気がなぜか重たい…

「最近、会社の空気がなんだか重い…」

そう感じ始めたのは、一週間ほど前のことでした。
同僚の香織(かおり)に話しかけても、どこか態度がそっけないのです。
私が何かしてしまったんだろうか…。日に日に、胸の中の不安は大きくなっていきました。

仕事のストレスや人間関係の愚痴。
誰にも言えないそんな本音を、私はSNSの裏アカウントに吐き出すことで、かろうじて心のバランスを保っていました。
もちろんアカウントには鍵をかけているし、フォロワーもゼロ。ここは私だけの聖域のはずでした。

その日の仕事終わり、一番仲が良いと思っていた同期の拓也(たくや)から、「美咲(みさき)、ちょっと話したいことがあるんだ」と飲みに誘われました。
いつもの明るい彼とは違う真剣な表情に戸惑いながらも、私たちは行きつけの居酒屋へと向かいました。

カウンター席に座るなり、拓也が重い口を開きます。

「……美咲の裏垢、知ってるよ」

その一言で、私の心臓は凍りつきました。

どうして、なんで。頭が真っ白になる私に、彼は自分のスマホの画面を見せてきます。
そこに映っていたのは、部長の悪口や、同僚への不満を並べた、まさしく私の投稿でした。

「どうして、これを…。誰から聞いたの?」

かろうじて絞り出した声は、情けないほどに震えています。きっと、私を陥れたい誰かがいるに違いない……。

しかし、拓也から返ってきたのは、想像を絶する言葉でした。

「たまたまスマホの画面が見えたんだ、バラしたのは、俺だよ」

「え……?」

信じられませんでした。
拓也だけは、私の唯一の理解者だと思っていたのに。

「ごめん。最初は偶然だったんだ。でも、俺のことも書いてあるのを見つけて、カッとなっちゃって…。それで、香織たちにもつい話しちゃったんだ」

彼の表情は怒っているというより、深く傷ついているように見えました。
匿名だという安心感から、私の言葉はいつしか鋭い刃となり、最も身近な友人たちをズタズタに切りつけていたのです。
その事実に、私は言葉を失いました。

あの後、どうやって家に帰ったのかよく覚えていません。ただ、後悔の涙だけが止まりませんでした。

次の日、私はアカウントを削除し、拓也や香織、傷つけてしまったみんなに、頭を下げて謝りました。許してもらえないかもしれない。それでも、自分のしたことから、もう逃げないと決めたのです。

デジタルの世界に「ここだけの話」なんて存在しない。その当たり前のことを、私は一番最悪な形で知ることになりました。

 

本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

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※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
※本コンテンツのテキストの一部は、生成AIを利用して制作しています。

 

 

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